BTS(防弾少年団)LOVE YOURSELF起承転結の違いは？収録曲や隠しトラックを解説

BTS（防弾少年団）のニューアルバム『LOVE YOURSELF 結 'Answer'』が発売されましたが、収録曲もたっぷりで素敵なアルバムになっています。

これまで『LOVE YOURSELF』シリーズとして「起承転結」の中の『起 'Wonder'』『承 'Her'』『転 'Tear'』が出ていましたが、今回のアルバム『結 'Answer'』はこのシリーズの完結編となります。

 

起承転結のそれぞれのアルバムの違いは何なのでしょうか？

それぞれのアルバムの違いのほか、収録曲や隠しトラックについて解説しています。

 

また、「BTSの曲は好きだけど、韓国語がわからないから・・・」という方のために、BTSの韓国語の曲をより楽しむ方法についても、あわせてご紹介しています。

では、『LOVE YOURSELF』シリーズのアルバムについて、違いを見ていきましょう！

 

BTS（防弾少年団）のアルバム『LOVE YOURSELF』起承転結の違い

BTSのアルバム『LOVE YOURSELF』の起承転結は、それぞれどう違うのでしょうか？

 

BTS（防弾少年団）のアルバムは本国韓国だけでなく、日本語版として日本でも発売されていますが、韓国版と日本版では内容や構成が違うため、ここでは韓国版についての解説になります。

 

BTSの過去のアルバムの流れ

BTSのアルバムはこれまでにいくつかシリーズがあるのですが、それらのシリーズを通して全体として「成長のストーリー」として繋がりがあります。

• 学校シリーズ：学校をテーマにした3部作
• 花様年華シリーズ：青春をテーマにした2部作
• Wings（+ Wings外伝）：誘惑がテーマ
• LOVE YOURSELFシリーズ：内面との向き合い

 

ただ、一番上の学校シリーズに関しては見解がまちまちのようです。

学校シリーズも含めて全部のシリーズが繋がっていると解釈する派と、学校シリーズは別で、花様年華シリーズ以降だけが繋がっている、とする解釈もあるようです。

 

学校シリーズは初期の頃の作品で、学校や大人、社会に対する反抗心なども含まれた、Hip Hop色が濃い曲や力強い曲が多いのが特徴です。

私個人的にはとても好きなシリーズです。

 

花様年華シリーズは青春がテーマだけあって、心の葛藤やはかなさが反映されており、名曲が多くあります。

このシリーズはファンにとても人気があり、ヒット曲がたくさんあります。

今でも「バンタン（BTS）と言えばこの曲！」といった曲が多く、もしまだ聴いたことがない方がいれば、是非聴いてみて下さい。

 

Wings（+ Wings外伝）は大ヒット『血・汗・涙』を含む、より魅惑的な曲が多くあります。

 

そしてLOVE YOURSELFシリーズは内面に関するテーマで、真の自分へと成長して行く心の変化や内面の過程が歌われています。

 

『LOVE YOURSELFシリーズ』の起承転結

この『LOVE YOURSELFシリーズ』の中の起承転結は「起承転結」の名の通り、ストーリー仕立てになって繋がっています。

• 起：始まり
• 承：愛のときめき
• 転：仮面を被った愛の終わりと別れ
• 結：仮面を脱いで真実の自分と向き合う

といったテーマになっています。

 

こちらにLOVE YOURSELFシリーズ起承転結のハイライト動画を載せておきます。

淡々とした感じで映像が流れて行きますが、内容はとても深いですね。

 

動画の中で、所々韓国語でナレーションやセリフが入っていますので、日本語訳にしたものと動画中の位置（時間）を下に載せておきます。

 

YouTubeのコメントを見ると、「この動画を観て、何とも整理できない色々な感情が浮かんできてどうしようもない」といった感じのコメントが見られます。

様々な想いを感じさせる映像とセリフ内容で、メッセージが深いですね。

 

ちなみに、この起承転結のストーリーの細かな意味や解釈については、色々なファンの方が独自の視点で考察や解説を書いて下さっていますので、そういったものを参考にしてみるのも興味深いと思います。

 

では、『LOVE YOURSELF』起承転結シリーズそれぞれの収録曲と隠しトラックについて見てみましょう。

 

BTS（防弾少年団）アルバム『LOVE YOURSELF』起承転結の収録曲と隠しトラック

『LOVE YOURSELF』起承転結シリーズについて、順番に収録曲をご紹介します。

また、隠しトラック（Hidden track）があるものについては、それもご紹介しています。

 

LOVE YOURSELF 起 'Wonder'

起承転結シリーズの最初の『起 'Wonder'』ですが、これは実はアルバムは出ていません。

アルバムではなく、『Euphoria』というテーマで映像でストーリーを表す形がとられています。

 

Euphoriaとは「多幸感」「強い幸福感」といった意味です。

 

宇宙から地球にやって来たことを伺わせるシーンから始まり、ダイナミックな構成になっています。

 

 

この『Euphoria』という曲も耳に残る曲で、映像もきれいですね。

 

次は、『承』を見ていきましょう。

LOVE YOURSELF 承 'Her'

 

起承転結シリーズの『承』はアルバムになっており、収録曲は9曲 + 隠しトラック2曲の全11曲となっています。

『DNA』や　『MIC DROP』『悩むよりGo』などヒット曲が入っています。

3曲目の『Best of Me』はアメリカの超ビッグデュオ・チェインスモーカーズとのコラボで有名ですね。

 

また、今年5月にアメリカのビルボード・ミュージック・アワードで受賞した時のスピーチもスキットとして入っています。

このスピーチが入っているのは嬉しいですね！

 

アルバム『承 'Her'』の曲にまつわるエピソード

隠しトラックの魅力

隠しトラックはCDのみに入っている曲で、デジタル音源では発売されていません。

 

10曲目のスキット『気迷いと恐れ』は、メンバーたちの会話が録音されたものになっています。

内容は主にビルボード・ミュージック・アワードを受賞という快挙を成し遂げた今、今後どうなるのかといったことや方向性などについて、メンバーが赤裸々にその心情を語っています。

 

インタビューのようにマイクに向かってしっかりと語っているのではなく、メンバー同士のくだけた会話といった感じのものですので、より臨場感があり、ファンにとっては嬉しいトラックです。

 

11曲目の『海』は作詞・作曲ともにリーダー・RMの曲ですが、R&BとHip Hop調にエレクトロが入ったバンタン（BTS）らしい曲でとてもいいですね。

この曲は、RMが日本の作家、村上春樹さんの小説『1Q84』からインスピレーションを受けて作ったのだそうです。

 

 

続いて、『転』を見ていきましょう！

LOVE YOURSELF 転 'Tear'

 

起承転結シリーズの「転」はフルアルバムになっており、収録曲は全11曲となっていますが、残念ながら隠しトラックは入っていません。

 

ですが11曲も入っているので、それだけで十二分に楽しめますね。

耳に残るヒット曲『FAKE LOVE』をはじめ、色々なエピソードのあるステキな曲が入ったアルバムです。

こちらで曲名をクリックすると、それぞれの曲を視聴することができます。

 

アルバム『転 'Tear'』の曲にまつわるエピソード

『134340』とはどういう意味？

4曲目の『134340』は数字が並んでいて「何だろう？」という感じですが、これはかつての冥王星のことだそうです。

冥王星は2006年に惑星から外され、小惑星にされて「134340」という番号が与えられました。

 

この曲では、自分の辛い心情を冥王星の立場と重ね合わせて歌われています。

リーダーのRMはIQが高いことでも有名ですが、こういった比喩を思いつくところに、RMの頭の良さが改めて感じられますね。

 

BTSの曲はメロディーの良さやダンスの凄さだけでなく、歌詞に社会的なメッセージが込められていたり、心理的・精神的な内容のものも多く、そういった歌詞がまた独特で大きな魅力ですね。

 

『Magic Shop』に関するエピソード

7曲目の『Magic Shop』は、メンバーのジョングクが作った曲です。

 

ジョングクはスタンフォード大学の脳神経外科医であるジェームス・R・ドウティの本『Into the Magic Shop』（邦題：『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック』、プレジデント社）からインスピレーションを受けてこの曲を作ったのだそうです。

 

BTSがこの曲を作ったことで、韓国ではドウティ博士の本が大きな話題となりました。

面白いことに、ドウティ博士ご本人がツイッターでBTSに感謝のコメントを載せています！

Thank you @BTS_twt https://t.co/8XWoX7plH8

— James R. Doty, M.D. (@jamesrdotymd) 2018年6月5日

 

この本は私も読んだのですが、冒頭から涙ボロボロでした。

素晴らしい本で、自分の中に大きな変化をもたらしてくれた本でもあります。

 

Amazonなどでレビューが見られますが、レビューの中にBTSの『Magic Shop』がきっかけでこの本を読んだ、という内容のものがあります。

やはりBTSの影響力は大きいですね。

 

『Anpanman』はアンパンマン？

ちなみに、9曲目の『Anpanman』はあの日本のアニメ「アンパンマン」です。

「なぜ歌にアンパンマン？」と不思議にも感じますが、実はここにも深い意味が込められているのです。

 

メンバーのジミンの発言によると、アンパンマンは自分の顔の一部を取って他のお腹が空いている人に分け与えます。

アンパンマンはそうすると力が弱くなり、スーパーヒーローといった活躍は出来なくなりますが、それでも困っている人のそばに長くいてくれ、慰めてくれたり力をくれる存在です。

 

BTSの存在というのは、このアンパンマンの在り方に似ているということで、「スーパーヒーローではなく、自分たちに出来ることは歌だけだけど、その自分たちの力を他の人に分け与える、そして長くそばにい続けてあげる」といったメッセージが込められているのだそうです。

 

面白いことに、アンパンマンというのは日本のアニメのキャラクターはもちろんのこと、小惑星の名前でもあるのだそうです（番号は46737）。

このアルバムには冥王星（小惑星134340）やアンパンマン（小惑星46737）が出てくるなど、宇宙規模でスケールが大きいですね。

 

『Anpanman』の歌詞の韻

上で、BTSの歌詞のメッセージ性についても触れましたが、BTSの曲の魅力は韓国語の歌詞の構成にもあります。

BTSの韓国語の歌詞には見事に韻を踏んでいるものが多く、その巧みさとリズム感の良さも本当に見事なのです。

 

「韻を踏む」とはどういうことかと言うと、同じ音（母音）の単語が繰り返され、それによって心地よいリズム感が生まれることだと考えればイメージしやすいかと思います。

 

日本語の例だと、「河童 ラッパ 買った」と口に出して言ってみると、何だか心地よい感じがしませんでしょうか？

この心地よさは、「河童」も「ラッパ」も「買った」もすべて「あ（の母音）+ ッ + あ（の母音）」となっているからなのです。

 

このような技法は、英語や韓国語の曲ではよく使われ、特にヒップホップやラップで良く使われます。

BTSは、歌詞の中で韻の踏み方がとても上手いのです。

 

例えば、この『Anpanman』の曲の一部を見てみましょう。

 

韻を踏んでいる部分はそれぞれ青色と赤色にしてありますので、太字の部分（カタカナ）の青色は青色同士、赤色の部分は赤色の部分だけをそれぞれ口に出しながら一気に読んでみましょう。

と、こんな風にいくつかの出だしの部分や終わりの部分などが韻を踏んでいるのがわかりますでしょうか。

• ネゲン、ネゲン、トェゲ
• クウォ、コ
• （ワ）ンネ、（オ）ンネ
• ガッパ、バットマン、ナンマン、アンパン、スーパーマン、バンバン、アナ、マンサン

厳密に言うと、「ガッパ」と「バットマン」は韻を踏んでいるのか見解が分かれるところですが、実際の発音ではここでの「ト」や「ン」は素早く小さく発音されますので、ほぼ同じリズムと韻に体感されます。

 

文字だとこのリズムの心地よさが伝わりにくいので、 是非CDで耳で聴いて体感してみて下さい。

 

この説明では韻の魅力がよわからないという方のために、 この記事の最後の方にBTSの韓国語の韻の世界を楽しむ方法について、更なるおすすめの曲を追記していますので、参考にしてみて下さい。

 

このように、歌詞の意味がちゃんと通りながら、それでいてキレイに韻を踏ませるのは、なかなか出来ることではないため、こういったところにもBTSの才能の凄さが感じられますね。

 

続いて、LOVE YOURSELFシリーズの最後の部分、『結』に移ります。

 

LOVE YOURSELF 結 'Answer'

 

LOVE YOURSELF起承転結シリーズの最後、『結 'Answer'』は起承転結シリーズの総仕上げ的な位置づけで、リパッケージ・アルバムとなっています。

 

この『結』のテーマは上でも触れたように、「仮面を脱いで真実の自分と向き合う」ということで、このアルバムでは更に心や内面に関する内容の曲が加えられています。

 

収録曲もたっぷり、CD Aには16曲、CD Bには10曲入っています。

収録されている曲名はこちらになります。

1. Euphoria
2. Trivia 起 : Just Dance
3. Serendipity（フルバージョン）
4. DNA
5. えくぼ
6. Trivia 承 : Love
7. Her
8. Singularity
9. FAKE LOVE
10. 伝えられなかった真心
11. Trivia 轉 : Seesaw
12. Tear
13. Epiphany
14. I'm Fine
15. IDOL
16. Answer : Love Myself

 

1. Magic Shop
2. Best Of Me
3. Airplane pt.2
4. 고민보다 Go
5. Anpanman
6. MIC Drop
7. DNA (Pedal 2 LA Mix)
8. FAKE LOVE (Rocking Vibe Mix)
9. MIC Drop (Steve Aoki Remix)（フルバージョン）
10. IDOL (Feat. Nicki Minaj)

 

こちらは「IDOL」のMVです。背景のカラフルさと視覚的な効果がとても面白いMVです。

 

また 'Epiphany' のティーザー映像も人気で話題を呼びました。

 

では続いて、BTSの韓国語の曲を120％楽しむためのコツをご紹介します！

 

BTSの韓国語の曲をもっと楽しむために

上の『Anpanman』の曲のところで、BTSの歌詞の韻の魅力について触れました。

でも、 なかなか韓国語の韻の感覚が感じられないという方もいるようです 。

 

そんな方にオススメなのが、BTSの『Danger』 という曲です。

この曲はBTSの『Dark&Wild』 という初期の頃のアルバムの曲なのですが、 BTSの曲の中でも韻の踏み方が特に見事だと感じる曲です。

 

曲自体はBTSの中では影が薄いというか、 何故かそれほど脚光を浴びることはないのですが、 歌詞の韻の踏み方とダンスのコンビネーションが素晴らしいです。

 

BTSの韓国語の曲は韻のリズムに注目すると、 更に楽しめますのでオススメですよ。

韓国語がわからない場合でも大丈夫、音の響きやリズムであれば誰でも体感できますので、こういったところもBTSの魅力です！

 

歌詞を解説するとここでは長くなり過ぎてしまうため、『Danger』の韻を踏んでいるキーワードの中から、 前半部分を少しだけピックアップして並べてみます。

 

ここも、上で説明したのと同じく、赤色の部分を口に出して一気に読んでみましょう。

どうでしょうか？韻が感じられたでしょうか？

 

これも目で見ると「ふ～ん」という感じかも知れませんが、 この韻を意識して何度も曲を聴いてみましょう！

韻の響きに集中するには、より音（発音）がクリアに聴こえるようヘッドホンやイヤホンをして目を閉じて（目を閉じて聴いた方が、 韻を体感しやすくなります）聴くのがおすすめです。

 

上であげた部分はほんの一部ですので、聴きながら他にどんな韻が出てくるのか、ぜひ発見してみて下さい。

徐々に韓国語や英語の韻の世界の素晴らしさが体感できるようにな ると思います。

 

韻の響きを体感するには、CDで聴く方がハッキリ聞こえるためおすすめなのですが、「どんな曲なのかまず聴いてみたい」という方のために、公式動画のダンス映像がありますので、そちらを載せておきます（この動画の頃は、みんな今よりかなり若いですね）。

 

このダンスも素晴らしいです！

 

 

この曲が入っているアルバム『Dark&Wild』（韓国語版） はアマゾンでのレビューもかなり高評価で、私もお気に入りのアルバムの1つです。

このアルバムの中のバラード『Let Me Know』はまた違った曲調で、切なさが込み上げる感じの素晴らしい曲です。

 

また、こちらの韓国語のベストアルバムにも『Danger』 が入っています。

ベストアルバムというだけあって、『N.O.』 『BOY IN LOVE』『I NEED U』『DOPE』『RUN』などなど、ヒット曲ばかりです。

 

とりあえずBTSのヒット曲を色々聴いてみたいという方におすすめです。

『LOVE YOURSELF』シリーズからBTSを知った方は、ぜひ昔のアルバムも聴いてみて下さい。

バンタン（BTS）らしい曲が満載で、とてもおすすめです！

 

ちなみに、韓国語のアルバムを買うと当然ハングル表記がされていますが、BTSやメンバーの名前は韓国語で何と言うのでしょうか？

メンバーの名前と本名のハングル表記や、ハングルがわからない方でも読めるようになるちょっとしたコツについて、こちらの記事でまとめていますので参考にしてみてください。

防弾少年団(BTS)の韓国語！ハングルでメンバーの名前や本名を表記すると？

防弾少年団（BTS）の韓国語表記の紹介！ハングルでメンバーの名前や本名を紹介。テテ（キムテヒョン）やジミン、ジョングク（グク）、ジン、シュガ（ユンギ）、ホソク、ラップモンスター（ナムジュン）全員解説しています。

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まとめ

BTS（防弾少年団）のアルバム『LOVE YOURSELF』シリーズの「起承転結」の違いについて解説してみました。

 

『LOVE YOURSELF』シリーズは

• 起：始まり
• 承：愛のときめき
• 転：仮面を被った愛の終わりと別れ
• 結：仮面を脱いで真実の自分と向き合う

といったテーマになっています。

 

また、それぞれの収録曲や隠しトラックについては

• 起 'Wonder'：アルバムはなく、映像（Euphoria）
• 承 'Her'：9曲 + 隠しトラック2曲（全11曲）
• 転 'Tear'：全11曲
• 結 'Answer'：全26曲（一部、同曲の別バージョンも含まれる）

となっています。

 

また、BTSの韓国語の曲は歌詞のメッセージ性だけでなく、韻の踏み方も見事です。

ぜひ韓国語の韻を体感しながら、昔のアルバムから最近のアルバムまで、幅広く聴いてみて下さい！