みなさんは、「カンボジア」と言えば、何を思い浮かべますか?
世界遺産のアンコールワットやアンコールトムに他、多くの美しい観光名所でしょうか。
「素朴な観光地を体験できる」と日本人の間で人気急上昇中の、魅力いっぱいの国「カンボジア」、行ってみたくなりますよね。
でも、カンボジアへ観光に行くためには、「観光ビザ」の取得が必要となって来ます。
そこで、これからカンボジアに旅行に行く方にとって必要な観光ビザの種類や申請料金、申請書の書き方や記入例、その他、必要な写真サイズや手続き方法についてご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
海外旅行で必要な観光ビザとは?
まずは、観光ビザとは何かについて見て行きましょう。
海外旅行の際、いくつかの国では観光ビザが必要となります。
ですが、そのことについて既に知っている方は、この部分は読み飛ばして頂いて構いませんので、この下の「カンボジアの観光ビザの種類」に進んでください。
そうではなく、
- 観光ビザと聞いただけで、ためらってしまう
- 観光なのに、なんでビザが必要なの?
- 日本人でもビザが必要な国があるの?
などと思われた方は、このまま読み進めて頂ければと思います。
観光ビザが必要な国と不要な国の違い
私たち日本人が海外旅行に行く場合、普通はビザなどは必要なくそのまま旅行できますよね。
それは、日本と旅行先の国との間に「ビザ相互免除措置」というものがあるからなのです。
「ビザ相互免除措置」とは何やら難しそうな言葉ですが、簡単に言うと「お互いにビザなしでOKという取り決め」のことになります。
日本の場合、短期滞在であれば、68の国・地域に対してこの取り決めがあり、ビザなしでお互いに訪問することができます(2017年時点の統計による)。
昔は観光ビザが必要だったものの、ここ十数年の間に、一定の期間内であればビザなしに変更になった国もあります。
例えば中国がそうです。そのため、近年は中国人観光客が大分増えて来ましたね。
また、例えばベトナムのように、日本人はビザなしでOKでも、ベトナム人が日本に短期滞在する場合はビザが必要というように、どちらか一方のみにビザが必要とされている場合もあります。
そして、今回お話するカンボジアですが、残念ながら、互いにビザなしでは訪問できない国になっています。
観光にもビザが必要と言うと、少々面倒に感じられるかも知れませんが、実はビザの取得の段階から外国に触れることのできる貴重な体験でもあります。
ではこれから、具体的にカンボジア観光のための観光ビザの種類について見て行きましょう。
カンボジアの観光ビザの種類
カンボジアの観光ビザの種類ですが、次の2種類があります。
(※ こちらは、日本国籍を持つ方に関しての情報となります。)
シングル(1回限り)
一度のみ使えるビザになります。
そのため、一度入国・出国をすると、それ以降は使えなくなります。
マルチプル(複数回)
一定期間の間であれば、何度出入国をしても使えるものになります。
マルチプルの場合、1年 / 2年 / 3年 とそれぞれの期間から選ぶことができます。
ではいよいよ、カンボジアの観光ビザの取得方法について見て行きましょう。
カンボジアの観光ビザの取得方法
カンボジアの観光ビザの申請・取得方法になります。
その方法は、次の4通りです。
- 大使館で申請
- インターネット(E-Visa)で申請
- 郵送で申請
- 現地の空港で申請
申請方法の種類により、必要なものや料金等も異なって来ます。
上の1~3は日本であらかじめ申請する方法になり、4は当日にカンボジアの現地空港で申請する方法となります。
そのため今回は、多くの人が利用している、日本であらかじめ申請する上の3つの方法について詳しく解説をして行きます。
この記事の最後に、書き方の見本もありますので、申請書を記入される時に参考にしてみて下さい。
それでは、1から順に見て行きましょう。
1.カンボジア大使館でビザを申請する方法
カンボジア王国大使館の窓口で申請する方法です。
カンボジア大使館は東京都港区にあります(最寄り駅は青山一丁目駅と乃木坂駅になります)。
申請は、申請者本人または代理人どちらも可能で、代理人申請の場合でも委任状は必要ありません。
また、数人分まとめての申請もできます。
大使館に着いたら、向かって左側にある建物がビザ申請のための窓口になります。
カンボジア大使館の敷地内は異国情緒あふれる素敵な空間となっており、また、窓口の方はカンボジア人の職員さんたちですので、出発前からカンボジアの雰囲気に触れることができます。
建物内には申請書を書くスペースがありますので、その場で記入することもできます。
大使館でのビザ申請に必要なもの
① パスポート
パスポートの有効期限(残存期間)は、基本的に6ヵ月以上残っている必要があります。
また、マルチプルのビザの場合は、マルチプルのビザ有効期限分にプラスして更に6ヵ月残っている必要があります。
- シングル: 入国時点で6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 1年マルチプル: 入国時点で1年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 2年マルチプル: 入国時点で2年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 3年マルチプル: 入国時点で3年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
②証明写真
- 証明写真 1枚(サイズ:35mm x45mm 背景無地のもの)
③ ビザ申請書
- ②の証明写真を添付し、全て記入します。A4サイズ1枚です。
- 在日本カンボジア王国大使館の公式サイトよりダウンロードでき、また上でも触れたように、大使館の窓口にも置いてあります。
大使館でのビザの申請料金
- シングル : 3,700円
- 1年マルチプル: 5,000円
- 2年マルチプル: 7,200円
- 3年マルチプル: 9,600円
[2018年9月現在の料金となります。
為替相場の変動によって変更される場合があるため、在日本カンボジア王国大使館で最新情報をご確認下さい。]
大使館でのビザ取得の所要日数
ビザ取得にかかる日数は、申請してから1営業日になります。
割と早く出来上がりますので、ありがたいですね。
大使館窓口の申請・受領時間
- 申請時間:9時~12時
- 受領時間:13時30分~15時30分 (申請日の翌日以降に受領可能、当日は不可)
休館日
- 3月8日:国際女性の日
- 4月16日:カンボジアのお正月
- 5月1日: 国際メーデー
- 5月14日・15日:シハモニ国王誕生日
- 6月1日:国際こどもの日
- 6月18日:シアヌーク前国王夫人誕生日
実際に大使館に行って、大使館が閉まっていては大変ですので、念のため最新情報をカンボジア大使館の公式ホームページで確認してから行くと良いでしょう。
受領方法
ビザの受領には黄色の領収書を持って行く必要があります。
受領はこの領収書があれば、申請者本人でも代理人でも、誰でも受領できます。
カンボジア滞在可能日数
- シングル:1ヶ月
- マルチプル:有効期間中何度でも出入国できますが、1回の滞在は30日までとなっています。
ビザの有効期限
- 発行日より3ヶ月
ビザの期限は発行日より3カ月のため、その間にカンボジアに行く必要があります。
そのため、できれば出発の目途が立ってから申請をするようにするのがおすすめです。
2.ネットでオンライン申請する方法 <E-Visa>
カンボジアの観光ビザを申請するには、ネットでオンライン申請することもできます。
申請は、カンボジアの外務国際協力省の公式サイトでのみ可能となっています。
中には偽サイトや非公式サイト等もあるようで、カンボジア大使館のサイトでも、外務国際協力省の公式サイトから申請を行うよう、注意が呼びかけられています。
外務国際協力省の公式サイトはこちらになります(日本語)。
こちらで申請をすると、カンボジア外務国際協力省が直接発行するオンラインの観光ビザ「E-Visa」が発行されます。
E-Visaに関しての問い合わせ先は、大使館ではなく、プノンペンにある下記のE-VISA Officeとなります。
E-Visa Office:
No.3, Samdech Hun Sen St, Tonle Basac, Khan Chamcar Mon, Phnom Penh, Cambodia
Tel: (+855) 23-224-973
Fax: (+855) 23-224-972
Email: cambodiaevisa@mfaic.gov.kh
E-Visaは、シングルのみ申請可能となり、マルチプルの申請はできませんので注意が必要です。
E-Visaネット申請に必要なもの
① パスポート
- 入国時点で6ヶ月以上の有効期限が残存するもの
② 写真
- パスポートサイズのデジタルデータ
③クレジットカード
- 「VISA」か「Mastercard」のどちらかになります。
④ビザを受け取るメールアドレス
- 確実にメールが届くメールアドレスを使いましょう。
E-Visa 申請料金
- USD30ドル + USD6ドル(システム処理料)=USD36ドル(約4,000円)
[2018年8月現在の値段となります。為替相場の変動によって変更されることがあります。]
E-Visa 申請の流れ
step
1カンボジア外務国際協力省のウエブサイトにアクセスします
step
2セキュリティー認定のため、画面に表示された文字を入力します
入力がすんだら、③の「今すぐ申請する」ボタンを押します。
step
3自分の写真をアップし、必要事項を入力します
[画像は、クリックすると拡大します]
① 申請用写真を登録
② 姓:アルファベット(英字)で記入
③ 名:アルファベット(英字)で記入
④ 電話番号を記入
⑤ ビザを受け取る E-Mailを記入
⑥ 性別:男または女を選択
⑦ 生年月日:「日/月/年」の順に選択
⑧ 出生国/出生地: Japan を選択
⑨ 国籍: Japan を選択
⑩ パスポート番号:パスポートに記載の番号を入力
⑪ パスポート発行日:「日/月/年」の順に選択
⑫ パスポート有効期限終了日:「日/月/年」の順に選択
⑬ 国籍: Japan を選択
⑭ 査認タイプ:観光ビザの場合、「Tourist: T」を選択
⑮ エントリのポート:カンボジアのどの都市から入国するかを選択
⑯ カンボジアの入国日:カンボジアの入国日を「日/月/年」の順に選択
⑰ パスポートの添付:パスポートの情報が載っている面の画像ファイルを登録
⑱ 「次へ」ボタンをクリック
step
4レビュー(確認)ページで、内容を確認
step
5メッセージを読んだら「閉じる」を押し、申請料金の額が正しいか確認をします
step
6クレジットカードの種類を選び、カード情報を入力します
step
7後日、ビザが発給されるとメールでビザが届きます。入国&出国用に2枚プリントアウトして持参します。
step
8プリントアウトしたビザは、入国・出国時に提出し、スタンプをもらいます
ココに注意
タブレットやスマホの申請は問題が多発しているため、パソコンから申請する方が無難なようです。
といっても、E-Visaではクレジット情報やパスポート写真をネット上で登録するため、どうしても不安を感じてしまいますよね。
偽サイトもあるようですし、セキュリティの面からも、個人的には大使館や郵送で申請を行うことをおすすめします。
E-Visa 取得に必要な所要日数
- 申請してから3営業日で発行されます。
カンボジア滞在可能日数
- 1ヶ月(大使館での窓口申請と同じ)
E-Visaの有効期限
- 発行日より3ヶ月
ビザの期限は発行日より3カ月のため、その間にカンボジアに行く必要があります。
そのため、できれば出発の目途が立ってから申請をするようにするのがおすすめです。
3.郵送で申請する方法
遠くてなかなか大使館に行けない方や「E-Visaはちょっと不安・・・」という方は、郵送でもビザ申請できます。
郵送での申請の場合、シングルでもマルチプルでも、どちらも申請可能です。
郵送でのビザ申請に必要なもの
① パスポート
パスポートは必ず原本を送る必要があり、コピーは不可となっています。
そのため、郵送は書留で送るようにしましょう。
また、パスポートの有効期限(残存期間)も、上の大使館の窓口申請と同じく、基本は6か月となっています。
また、マルチプルのビザの場合、マルチプルのビザ有効期限分にプラスして更に6ヵ月残っている必要があります。
- シングル :入国時点で6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 1年マルチプル:入国時点で1年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 2年マルチプル:入国時点で2年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
- 3年マルチプル:入国時点で3年6ヶ月以上の有効期間が残存するもの
② 証明写真
- 証明写真 1枚(サイズ:35mm x 45mm 背景無地のもの)
③ ビザ申請書
- ②の証明写真添付。A4サイズ1枚。
- 領事館用ではなく、大使館用の申請用紙を利用してください。
申請書は、カンボジア大使館の公式サイトよりダウンロードできます。
返送宛先を書いたメモ
- ビザやパスポートを返送してもらうための受取先(郵便番号、住所、氏名、電話番号)を記入します。
- 返送用封筒は大使館側で用意してもらえますので、自分の住所などの情報のみをメモに書いておきましょう。
- 大使館に提出する書類は、すべてA4サイズになりますので、A4サイズの用紙を使うようにしましょう。
郵送でのビザの申請料金
下の料金には、ビザ代金・返送料・手数料がすべて含まれています。
- シングル:6,000円
- 1年マルチプル: 7,500円
- 2年マルチプル: 9,500円
- 3年マルチプル: 12,500円
[2018年9月現在の料金となります。
為替相場の変動によって変更される事があるので、在日本カンボジア王国大使館に最新情報をご確認下さい。]
ビザ取得の所要日数
- 約1週間(申請の取り消しはできません)
カンボジア滞在可能日数
- シングル : 1ヶ月
- マルチプル: 有効期間中何度でも出入国できますが、1回の滞在は30日までです。
ビザの有効期限
- 発行日より3ヶ月
ビザの期限は発行日より3カ月のため、その間にカンボジアに行く必要があります。
そのため、できれば出発の目途が立ってから申請をするようにするのがおすすめです。
では、カンボジアの観光ビザの申請書の書き方ご紹介します。
カンボジアの観光ビザ|申請書の書き方&記入例
最後に、申請書の書き方について見て行きましょう。
記入例として見本も載せてありますので、参考にしてみて下さい。
記入のポイント
- 全て英語で記入します。
- 訂正箇所は、線で消すか修正液を使って直します。
- 実際の旅行で予定が変更になっても問題ありません。全て記入してください。
記入例
① 姓:アルファベット(英字)で記入
② 名:アルファベット(英字)で記入
③ 性別:男または女にチェック
④ 生年月日:「日/月/年」の順に英語で記入
⑤ 出生地: Japan と記入
⑥ 国籍: Japan と記入
⑦ 入国予定日:「日/月/年」の順に英語で記入
⑧ 出国予定日:「日/月/年」の順に英語で記入
⑨ 入国予定地:カンボジアのどの都市から入国するかを英語で記入
⑩ 交通手段:入国交通手段を英語で記入
⑪ 出国予定地:カンボジアのどの都市から出国するかを英語で記入
⑫ 交通手段:出国交通手段を英語で記入
⑬ 旅券番号:パスポートに記載された旅券番号をそのまま記入
⑭ 旅券発行地: Japan と記入
⑮ 発行日:パスポートに記載された発行日を「日/月/年」の順に英語で記入
⑯ 執行日:パスポートに記載された失効日を「日/月/年」の順に英語で記入
⑰ 現住所:現住所を英語で記入
⑱ 携帯番号:携帯番号を記入
⑲ 電話番号:自宅の電話番号を記入
⑳ 職業:職業を英語で記入
㉑ 勤務先:勤務先を英語で記入(会社名・学校名などないときは、「None」と記入)
㉒ 宿泊予定ホテル:カンボジアでの滞在先名を英語で記入
㉓ ビザの種類:取得したビザの種類にチェック
㉔ 申請日:申請書を提出する日付を、「日/月/年」の順に英語で記入
㉕ 署名:パスポートと同じ署名を記入
㉖ 写真:サイズは目安です。白黒・カラーどちらも可です。本人と分かれば可ですが、スナップは不可となります。
ちなみに、カンボジアはアンコールワットがあるシェムリアップを含め、残念ながら治安がかなり悪いのが現状です。
そのため初心者の場合、現地ではできるだけツアーに参加するか現地ガイドをつけて回るようにするのが安全でです。
ただ、現地ツアー会社やガイドとのトラブルも報告されていますので、できるだけ日本のツアー会社など信頼できるところを利用するようにしましょう。
例えばこちらのJTBのパッケージツアーですと、日本の大手旅行会社で安心です。
アンコールワットを自分で周るとなると、時間配分や移動が大変ですが、ツアーの場合すべて手配してくれますのでスムーズでおすすめです。
また、現地のオプショナルツアーも移動にかかる費用や入場料を考えるとお得です。
東南アジア最大の湖・トンレサップ湖クルーズ➡ 4,519円~
世界遺産 アンコールトム&アンコールワット1日観光(昼食付き)➡ 7,908円~
専用車と専用ガイド貸切 4時間/8時間➡ 1,0167円~
その他の現地ツアーはこちらで見れます。
まとめ
カンボジアの観光ビザの種類や申請方法、記入例などについてご紹介しました。
今回取り上げた方法は、日本国内であらかじめ申請するための、
- 大使館窓口
- ネットでのオンラインE-Visa
- 郵送
の3つの方法です。
それぞれのビザ申請の方法によって、申請可能なビザの種類、必要なもの・条件、申請に必要な料金などが異っています。
申請には、写真も必要で、規定サイズのものを用意するようにしましょう。
また、申請書を書く際に見本となる記入例や書き方についても解説もありますので、上の記入例を参考に記入してみて下さい。
「ほんとにビザ取得なんて自分でできるの?」と、不安に思ってらっしゃる方の参考になれば幸いです。
ビザ申請は少し面倒に感じるかも知れませんが、カンボジア大使館などとのやり取りを通し、旅の前から気持ちを盛り上げると、より旅が楽しくなりますよ。
~ Have a wonderful trip to Cambodia !! ~
[担当:Dreamy|編集:運営スタッフ]