台湾で使われる言語は台湾語・・・だと思っている方も少なくないのではないでしょうか?
確かに、台湾では台湾語という言語も使われているのですが、多くの日本人が思い浮かべている台湾の主要な言語というは、実は台湾語ではなく中国語なのです。
ですが、台湾で話されている中国語は中国大陸のものとは若干異なっています。
では、台湾では一体どんな中国語が話されているのでしょうか?
この記事では、台湾で使われている言語(中国語/華語・台湾語)について解説しています。
また、台湾での挨拶フレーズや、台湾に旅行したいけれど英語や日本語はどのくらい通じるのかなど、旅行で役立つ台湾の言語事情についても触れています。
この記事の最後には、台湾人の話す中国語を勉強してみたい方のために、旅行でも使えるおすすめのアプリや勉強方法もご紹介していますので、参考にしてみて下さい。
台湾ではどんな言語が使われてるの?言語の割合は?
台湾では、実はいくつかの言語が使われています。
代表的なものは
- 中国語
- 台湾語
- その他の言語・方言
となっています。
例えば、「韓国 = 韓国語」、「中国 = 中国語」というように、多くの日本人は台湾で話されている言語を「台湾 = 台湾語」だと考えています。
ですが、冒頭でも触れたように、台湾でメインで話されている言語は台湾語ではなく、中国語なんですね。
台湾では、公用語は中国語で、割合としてはこの中国語が台湾で一番使われているメインの言語となります。
学校教育も中国語ですし、テレビ放送も(一部の特別放送を除いては)中国語で行われています。
ですが台湾には、公用語の中国語以外に、特に地方などで使われている言語に台湾語というものがまた別にあり、またそれ以外にも数々の方言も台湾では話されています。
それでは、台湾で一番メジャーな言語である公用語の中国語から見ていきましょう。
台湾で使われている中国語は?台湾華語とは?
台湾の公用語は中国語・台湾華語
台湾華語とは?
台湾で一般的に広く使われている言語、つまり公用語は、上でも触れたように中国語です。
ですが、台湾で話されている中国語は、中国大陸で話されている中国語とは若干異なっています(どう異なっているのかは、下の方で解説をしています)。
そして、台湾で話されている中国語は台湾華語(タイワン ファーユー)または華語(ファーユー)と呼ばれています。
「台湾華語」だと長いため、単に「華語」と呼ぶことが多いのです。
この「華語」というのは、「華人(中華系の人)が話す言語」という意味で、実際は中国語の一種(一方言)であると言えます。
台湾人がよく使う「國語」とは?
上で、台湾の中国語は「華語」と呼ばれると触れましたが、実際のところ、台湾人はよく、華語のことを「國語(グォユー)」(または「台湾國語(タイワン グォユー)」と呼びます。
「國語」の「國」は日本語の「国」の旧字体と同じで、意味はそのまま同じく「国」となります。
なぜ台湾人はこう呼んでいるかと言うと、台湾人にとって、台湾華語は自分たちの国語であるため、「台湾國語」または単に「國語」と呼んでいるんですね。
日本でも、学校で国語の授業科目をわざわざ「日本語」とは呼ばず、単に「国語」と呼んでいますよね。
それと同じように、台湾でも台湾人は普段、自分たちの言語を単に「國語(国語)」と呼んでいると考えると、イメージしやすいかと思います。
この台湾華語は、いわゆる中国大陸の標準語・普通話と比べると、会話をする上ではさほど違いはないのですが、文字や発音、文法など、いくつか違いもあります。
ただ、この中国大陸の中国語と台湾の中国語(華語)の違いについては、旅行者の場合はそれほど気にする必要はないため、この下の説明は飛ばし、こちらをクリックしてその下の「台湾で他に使われている言語は?」に進んでもOKです。
大陸の中国語と華語の細かな違いについて、詳しく知りたい方はこのまま解説を読んでみて下さい。
では、どんな違いがあるのか見ていきましょう。
中国語(普通話)と台湾華語の違い
中国大陸の標準語である中国語・普通話と台湾華語には、いくつか違いがあり
- 漢字
- 発音
- 語彙
- 文法
- 発音表記の方法
などに、それぞれ違いがあります。
順にそれぞれの違いについて見てみましょう。
漢字の違い
まず、なによりわかりやすい違いは漢字です。
大陸では漢字を簡略化して書く、「簡体字」という漢字が使われるのに対し、台湾では古来から使われている、筆画の多い「繁体字」が使われています。
例えば、「東京」という漢字を見てみましょう。
- 日本語:東京
- 繁体字(台湾):東京
- 簡体字(中国):东京
日本語で現在使っている漢字と台湾で使われている繁体字は同じく「東京」ですね。
これに対し、中国の簡体字では「东京」と書かれ、「東」が簡略化された文字となっているのがわかりますね。
もう一つ例を見てみましょう。
空港のことを中国語では「機場」と呼びますが、これも繁体字と簡体字では違いがあります。
- 繁体字(台湾):機場
- 簡体字(中国):机场
こうして見ると、日本人にとっては中国の簡体字の方が見慣れない感じがし、台湾の繁体字の方が読みやすくく感じられますよね。
台湾で使われている繁体字の方が日本語に近い、もしくは全く同じという場合が多く、見た目でイメージしやすい漢字ということがお分かりいただけると思います。
ですが語彙によっては、台湾の繁体字の方が難しく複雑に感じられるものもあります。
例えば、「学校」や「体育」という言葉を見てみましょう。
- 日本語:学校|体育
- 繁体字(台湾):學校|體育
- 簡体字(中国):学校|体育
この場合、「学校」も「体育」も、日本語の漢字と中国の簡体字は同じ表記で読みやすいですが、台湾の繁体字は日本人からすると複雑でちょっと難しく感じられますね。
また、次の例のように日本で使われている漢字と繁体字、簡体字すべてが微妙に異なっている漢字もあります。
- 日本語:亀
- 繁体字(台湾):龜
- 簡体字(中国):龟
中国の簡体字は日本語の「亀」を更に簡単にしたように見えますが、台湾の繁体字はとても複雑ですね。
より細部が見えるようフォントを大きくすると 龜 となっています。
台湾人は、こんな難しい漢字をみなちゃんと覚えているのかと不思議に思いますよね。
台湾人の友人に訊いてみたところ、台湾人でも細部を忘れている人も結構いる(!)そうで、日常では何となくの形で適当に書くことも珍しくないのだそうです。
漢字についての説明が長くなってしまいましたが、こんな風に同じ漢字であっても、台湾の繁体字と中国の簡体字では違いがあるものがあります。
続いて、台湾の華語と中国語の普通話における発音の違いを見ていきましょう。
これがわかるようになると、耳で聴いただけで、相手が中国大陸出身なのか、台湾出身なのか区別ができるようになりますよ!
続いて、中国大陸の中国語と台湾の中国語の発音の違いを見ていきましょう。
発音の違い
中国語には声調というものがあり、声の抑揚(トーン)によって意味が変わるのですが、トーンの種類が4種類あるため、四声と呼ばれています。
中国大陸の中国語でも台湾の華語でも、両方とも四声はあるのですが、発音の仕方に違いがあります。
中国の場合
中国(おもに北部)の場合、この声調ははっきり抑揚をつけて発音されます。
また、中国語特有の舌を巻いて発音するそり舌音もしっかり発音されるのが特徴です。
台湾の場合
大陸の中国語に比べ、台湾人の話す華語は、抑揚をあまりつけない平坦な発音が特徴的です。
そり舌音も非常に弱く、例えば「吃飯」(ご飯を食べる)の「吃」(チー)は台湾人が発音するとツーと聞こえます。
このように、台湾で話されている中国語は抑揚が少なく、そり舌音も少ないためか、台湾人の会話は全体的に優しく、やわらかく感じられるところがあります。
次に、中国大陸の中国語と台湾の中国語の語彙の違いを見ていきましょう。
語彙の違い
基本的に、中国の中国語も台湾の中国語(台湾華語)もお互いに通じます。
ですが、台湾人独特の言い回しや表現もあり、いくつか単語の違いもあります。
例えば、「自転車」を意味する単語の違いを見てみましょう。
- 中国:自行车(ズーシンチャー)
- 台湾:腳踏車(ジャオターチャー)
と、それぞれ表記されます。
両方とも、言わんとしている意味は何となくわかりますが、表現方法が違いますね。
また、別の例をあげると、「タクシー」という単語も違っており
- 中国:出租汽车(チューズーチーチャ―)
- 台湾:計程車(ジーチャンチャー)
と表現します。
日本で中国語を勉強する場合、大抵は中国大陸の標準語である普通話を学ぶことになります。
そのため、日本で中国語を学んでいる方はみな、タクシーの単語は大陸式の「出租汽车」で覚えていると思いますが、台湾人はみな「計程車」と呼んでいるのです。
そんなことから、台湾に旅行に行ってタクシーを呼ぶ際、「出租汽车」と言うと、すぐにわかってもらえないこともありますので、注意が必要です。
台湾では、タクシーのことは「計程車」(ジーチャンチャー)と言うようにしましょう!
続いて、中国大陸の中国語と台湾の中国語の文法の違いを見ていきましょう。
文法の違い
中国大陸の中国語・普通話と、台湾で使われている中国語・台湾華語では、文法の面でも少し違いがあります。
「私はあなたに電話をかけます」という文を比べてみましょう。
「電話」は大陸の簡体字では「电话」と書き、台湾の繁体字では日本と同じく「電話」と書きます。
- 普通話(中国): 我给你打电话(ウォ ゲイニィ ダーディエンホワ)
- 台湾華語:我打電話给你(ウォ ダーディエンホワ ゲイニィ)
上記2文は、どちらも意味は同じですが、「あなたに」を意味する「给你」(ゲイニィ)の位置が異なっています。
日本で中国語を習う場合、上でも触れたように普通話を基本に教わることが大半になるため、上の大陸式の「我给你打电话」の方を学ばれるはずです。
ですが、台湾では後者の「我打電話给你」と、「给你」が後ろに来る形が使われるのです。
しかし、台湾で大陸式に「我给你打电话」を使ったとしても間違いではなく、十分通じるので気にし過ぎることはありません。
そして次に、中国大陸で使われている発音記号と台湾で使われている発音記号の違いを見ていきましょう。
発音記号・拼音(ピンイン)と注音字母の違い
中国語は基本的にすべて漢字で表記するため、子供や外国人にとって、まだ読めない漢字の発音を知るための手がかりが必要になります。
日本で言う、漢字にふられたルビのようなものだとイメージすればわかりやすいかと思います。
このルビの記号となっているものが、中国と台湾ではそれぞれ違うものを使っているのです。
それぞれ、順番に見てみましょう。
拼音(ピンイン)
拼音(ピンイン)というのは、中国語を学習された方ならご存知だと思いますが、下記のような、中国語の読みをローマ字で表記する方法です。
外国人にとって、このピンインがないと中国語の漢字の発音がわからないため、このピンインは中国語学習において、必要不可欠なものとなっています。
ですが、台湾華語ではこれを使いません。
では、台湾ではどのように発音を表記するのでしょうか?
注音字母(ボポモフォ)
台湾では、昔から台湾独自の注音字母(ボポモフォ)という表記が使われています。
注音字母なんて聞きなれない言葉ですが、表音をローマ字ではなく、中国古文からとった特殊な文字で表したものです。
注音字母はこんな形をしています。
注音符号は全部で37文字あり、これらを組み合わせて音を表します。
また、この注音符号は「ボポモフォ」とも呼ばれますが、これは代表的な符号の発音の音をとってこう呼ばれています(日本語で「あいうえお」というようなイメージに近いでしょうか)。
一見難しそうで敬遠したくなってしまう注音字母ですが、残念なことに台湾ではパソコンのキーボード入力も、スマホの文字入力も全て注音字母です。
そのため、これから台湾に留学して中国語を学ぼうとする方や、台湾に住む方にとって、注音字母は避けては通れません。
初めは抵抗があるかもしれませんが、覚えてしまえばとっても簡単です。
♦♦♦
中国大陸の標準語・普通話と台湾華語ではこのように色々と違いがあります。
そのため、これまで日本で少しでも中国語を勉強したことのある方は、「今まで勉強してきた中国語(普通話)が通じないんじゃないの?」なんて不安に思われるかもしれませんが、心配ありません。
基本的には両方とも同じ言語のため、学習してきた中国語は台湾でもほぼ通じると思って大丈夫です。
私もこれまで中国で働いていたのですが、中国で身に着けた中国語でも、台湾で普通に意思疎通ができています。
ここまで、台湾のメイン言語である中国語・台湾華語について見て来ましたが、続いては台湾で使われている他の言語についても簡単に見ていきましょう。
台湾で他に使われている言語は?
上でご紹介したとおり、台湾の公用語は中国語(台湾華語)です。
そのため、台湾のニュースや学校の授業、職場やお店など、日常のあらゆる場面では中国語(台湾華語)が使われています。
そんな台湾で、台湾華語以外に話される言語で忘れてはならないのが「台湾語」です。
台湾語とは?
台湾語の特徴
台湾に行かれたことがある方なら、気づかずとも一度は耳にしているはずの台湾語。
特に年配の方たちに話されている言語で、家族間の会話や買い物での店員とのやり取りなど、日常的に街中で飛び交っています。
台湾語は中国語を勉強した人にも全く理解できない、独特のイントネーションで話される言語で、中国福建省の南部で話される閩南話(ミンナンホア)がルーツだと言われています。
特に台湾の南部でよく話されており、台南や高雄などに旅行すると、この台湾語がしょっちゅう聞こえてきます。
そのため、地方の若者たちの中には、外では台湾華語を使い、家の中では家族とともに台湾語を話していることも少なくありません。
ですが、近年では台湾語を話せる人が大分少なくなって来ており、特に台北の若者は話せない人が多くなっています。
例えば当サイトの高雄出身の台湾人スタッフの場合、台湾では普段は中国語(華語)を使いながらも、家族との会話は中国語と台湾語が混じっていると言います。
面白いのが、特に感情を交えた話になると、自然と中国語から台湾語に切り替わるのだそうです。
ですがその一方、台北出身の友人に台湾語を知っているか尋ねてみると「美味しい」「こんにちは」などの簡単な挨拶は知っているけど、他はわからない・・・といった回答でした。
台湾でも、台湾人だからと言って、必ずしもみなが台湾語ができるわけではないのですね。
台湾語で注文してみよう!
台湾の屋台名物、牡蠣のオムレツ「蚵仔煎」をご存知ですか?
この「蚵仔煎」は台湾語読みで「オアゼン」が通称となっており、台湾人にはポピュラーな食べ物です。
日本の台湾旅行のガイドブックにもよく載っているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
台湾の屋台でこの看板を見つけたら、一度「オアゼン」と台湾語でを注文してみてくださいね。
台湾人が台湾語を使用する割合は、昔に比べて減ってきてはいますが、地方の家族間などの親しい間柄では今でもよく使われています。
現地で使われる台湾語や台湾華語を少しでも覚えて話せたら、現地の人たちとのコミュニケーションもより楽しくなりますよね。
台湾にはその他の言語も
台湾には、中国語である台湾華語や台湾語以外にも、現地で話されている言語や方言が数多くあります。
例えば客家語は、台北のMRTで客家語のアナウンスもあり、街中でも耳にすることができます。
その他、台湾では地方や山岳地帯では台湾の原住民の方々の独自の言語も話されています。
このように、台湾は実は多言語の社会なのですね。
少しでもローカルの言語や表現を学ぶと、現地の旅もグッと色濃いものになるでしょう。
しかしそうは言っても、「中国語や台湾語なんて少しも話せないし、旅行に行くのに今から勉強したんじゃ間に合わない!」なんて方もいるでしょう。
そんな方のために、台湾で英語や日本語は通じるのかどうか、そちらも解説をしていきます。
台湾旅行では英語や日本語は通じるの?
台湾は中華圏のため、「漢字は何とか読めるけれど、中国語は話せないし・・・。片言の英語なら何とかなるんだけど」といった方も少なくないでしょう。
そんな台湾で、英語は通じるのでしょうか?
台湾の英語事情
台湾では実は英語教育がとても盛んで、日本よりも進んでいると言われています。
小学校の低学年から英語は必須科目として定着しており、若者なら高い割合で英語を流暢に話せます。
街中で道を尋ねたいときや、店員さんに質問したいときには、若い世代の台湾人なら英語で話しかけてもすぐに対応してくれるはず。
中年の方でも、何とか片言でも英語で親切に対応してくれる方も少なくありません。
台湾の方々は親切で気さくな方が多いため、旅行で困った時には、迷わず英語で話しかけてみてください。
では、そんな台湾では日本語は通じるのでしょうか?
台湾で日本語は通じる?
台湾では、ありがたいことに日本語も通じる場面が多くあります。
特に年配の方は、日本の台湾統治時代に学んだ日本語を流暢に話せますし、若者は日本好きが多く、日本語を勉強している人が本当に数多くいます。
皆が皆ではありませんが、本当に困ったときは日本語で話しかけてみると、案外日本語で答えてもらえるかもしれませんよ。
ただ、台北では日本語ができる人が割と多いものの、台南や高雄など地方へ行くと、街で日本語が話せる人を見つけるのは難しいところがありますので、日本語のみに頼りすぎないようにした方が良いでしょう。
中国語や台湾華語が書かれているガイドブックなどを持って行くと、いざという時に便利です。
特に、この『旅の指差し会話帳(台湾華語編)』は可愛いイラストとともに、台湾旅行で必要な会話や料理名、観光地などが台湾華語で載っています。
お店で注文する時や道を尋ねるときなど、この本の中の絵を図を指さすだけで、現地の人とスムーズにコミュニケーションが取れるため、中国語に自信がない方は1冊持っておくと便利で、大変おすすめです。
それでは、台湾旅行で使える簡単な挨拶言葉を見ていきましょう。
台湾で使える挨拶言葉
ここでは、台湾で使える
- 中国語(普通話)
- 台湾華語
- 台湾語
それぞれでの簡単な挨拶表現をご紹介していきます。
中国語(華語)で挨拶はどう言うの?
基本的な挨拶
これさえ覚えておけばOK!
台湾旅行で旅行者が必要な中国語として、以下の表現を覚えておけば便利です。
- 你好(ニーハオ)=こんにちは/こんばんは
- 謝謝(シェシェ)= ありがとう
- 再見(ツァイチェン)=さようなら
- 這個(チャーガ)= これ
- 那個(ナーガ)= あれ
- 多少錢?(トォーシャオチエン)= いくらですか
- 我要〇〇(ウォーヤオ〇〇)= 〇〇が欲しいです
まず、「こんにちは」に当たる言葉とされる「你好(ニーハオ)」は、誰もが知っているでしょう。
お店などでは、この挨拶で大丈夫です。
また、旅行者の場合も、この表現を覚えておけばOKです。
そして、また誰もが一度は聞いたことのある「謝謝」ですが、実はこれ、発音が重要なのです!
間違った発音だと現地でクスクスと笑われてしまうこともありますので、「謝謝」について詳しくはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
また、お店で何か欲しい時は、我要〇〇(ウォーヤオ〇〇)と言えばOKで、〇〇のところは欲しいものの単語を入れるようにします。
例えば「これが欲しい」であれば「我要這個(ウォーヤオ チャーガ)」(これ下さい)、「あれが欲しい」であれば「我要那個(ウォーヤオ ナーガ)」(あれ下さい)と表現できます。
現地で友達ができたら
上で触れた「你好(ニーハオ)」ですが、これは実や改まった表現となっています。
そのため、お店やあまり親しくない人に対して使う表現となっており、実際は家族や友達同士では「你好」を使うことはありません。
では、家族や友達同士など、親しい場合はどう挨拶するのでしょうか?
通常、相手に会って声を掛けるときは、「吃飯了嗎?(チーファンラマ)」(ご飯食べた?) などと挨拶することが大半です。
これは決して、ご飯を食べたかどうか知りたいから尋ねているのではなく、「相手のことを気に掛けているよ」という気持ちを表したフレーズになります。
こう聞かれたら、「吃飯了(チーファンラ)」(食べたよ)もしくは「還沒/(ハイメイ)」(まだだよ)と答えてください。
他にも、親しい人に対しては「上課嗎?/ シャンクァーマ?」(これから授業?)や、「下班了嗎?/ シャーバンラマ?」(仕事終わったの?)など、相手のことを気遣った内容を挨拶表現として使われることが多く、内容はその場に合わせて使い分けられます。
そのため、知り合いになって来たら「你好」は多用せず、「吃飯了嗎?/ チーファンラマ」(ご飯食べた?)や「下班了嗎?/ シャーバンラマ?」(仕事終わったの?)などを使うと、台湾でも中国語が使いこなせていると思われるはずですよ。
台湾華語独特の挨拶表現
上で、中国語としての一般的な挨拶の表現についてご紹介しました。
台湾で話されている中国語(台湾華語)の場合も、上でご紹介したように基本は中国の普通話と同じ使い方ができます。
ただ、一つ台湾華語独特の挨拶表現もあります。
それは、「おはよう」という表現です。
「おはよう」という朝の挨拶は、大陸の普通話では「早上好」(ザオシャンハオ)と言います。
ただ台湾ではこうは言わず、代わりに「早安」(ザオアン)と言います。
親しい友人や同僚には「早」(ザオ)だけでもOKです。
では続いて、台湾のお年寄りや地方でよく使われている台湾語の挨拶についても、簡単に見ておきましょう。
台湾語の挨拶ではジャパーボエ?
上で、中国語では、親しい間柄では挨拶表現として「吃飯了嗎?」(ご飯食べた?)とよく使うと触れましたが、そこは台湾語でも同じです。
台湾語でも「吃飯了嗎?」(ご飯食べた?)と同じ意味で、「呷飽没?(ジャパーボエ)」がよく使われます。
華語とは似ても似つかない漢字に発音ですよね。
答え方も華語と同じ、「吃了」(食べたよ)の意味で「呷飽(ジャパー)」と答えます。
このように、台湾では台湾語独特の挨拶表現があります。
そのため台湾に行かれたら、中国語や台湾語などを使って、ぜひ現地の挨拶方法で話しかけてみてください。
きっと現地の人とのコミュニケーションが広がるはずですよ。
では最後に、日本ではなかなか学ぶ機会が少ない台湾華語を勉強する方法についてご紹介します。
台湾華語を勉強するには
台湾旅行の人気が高まるにつれ、「普通話ではなく、台湾の中国語である台湾華語が学びたい」と思うようになった方々も増えてきています。
そういった場合、どのような方法があるのでしょうか?
方法としては
- 台湾現地で学ぶ
- 日本国内で学ぶ
の2つの方法があります。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
台湾現地で台湾華語を学ぶ
一番良いのは、やはり台湾に直接行き、現地で学ぶという方法です。
現地では
- 語学留学をする
- ワーホリ(ワーキングホリデー)を利用して学ぶ
といった方法があります。
現地の言葉が生で感じられ、語学習得には最高の方法です。
現地台湾に長期的に滞在してみたい方は、こちらに台湾移住についての方法についてまとめてありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
しかし、留学や台湾現地に行くのは難しいと思われる方には、日本にいながら台湾華語を勉強する方法もあります。
日本で台湾華語を学ぶ
台湾華語が学べる教室も
上でも触れた通り、日本で学べる中国語はほとんどが大陸の普通話となっています。
そのため、普通話を基本にした中国語教室に比べると、日本で学べる台湾華語の教室やレッスンはかなり少ないのが現状です。
ですが、少ないながらも例えば新宿など、語学学校で台湾華語の教室が設けられているところもあります。
台湾留学と台湾中国語学習の専門サイト「台湾留学.com」にもそういった教室情報が掲載されていますので、参考にしてみて下さい。
また、「語学学校に通うのは距離的にも金銭的にも難しい・・・」といった場合、こんなおすすめの方法もあります。
ネットで言語交換もおすすめ
なかなか教室には通えない場合、家にいながら台湾華語を学べる方法としておすすめなのが、言語交換です。
この「言語交換」というのは、台湾人に華語を教えてもらう代わりに、台湾人に日本語を教えてあげる、というシステムです。
台湾ではこの言語交換が非常に盛んで、日本語を希望している人々も数多くいます。
私も台湾に留学した際に、現地の台湾人の学生と週に1回は言語交換をしていましたが、台湾華語の勉強にはとても有意義な方法でした。
その言語交換が、台湾に行かずとも日本にいながら、しかも手軽にできる方法があるのです。
それは、ネットを使った言語交換で、最近ではメールやスカイプ、チャットなど、色々な方法でオンラインの言語交換ができるようになっています。
その中でもおすすめのアプリを2つほどご紹介します。
- HelloTalk
- Tandem
この2つのスマホアプリは、世界の色々な言語を使うユーザー同士が繋がることができ、様々な言語での言語交換ができるのが特徴的です。
もちろん、台湾華語を選べば、簡単に台湾人とコミュニケーションができるようになります。
どちらも登録さえすれば、台湾人のアプリ利用者とスマホを使って簡単にチャットができ、実際に使われる生の台湾華語が家にいながら学習できる、とても便利なアプリです。
HelloTalk
Tandem
GooglePlayアプリ
お役立ち翻訳アプリ
他にも、台湾華語を勉強する際にあれば心強いのが、翻訳サイトや翻訳アプリですよね。
旅行に行く前にスマホに入れておけば、現地でもイザとなった時に役に立ちます。
ここでは、「これさえ入れておけば」というおすすめ翻訳アプリをご紹介します。
Google翻訳
一番のおすすめは『google翻訳』です。
「え、Google翻訳?」と拍子抜けした方もいるかも知れませんが、Google翻訳はやはり正確性が高いため、ストレスが少なくスムーズに使えます。
また、マイクを使った音声認識も使えるところが魅力です。
日本語から中国語(繁体字)に設定しておき、知りたい言葉を入力して使うようにしましょう。
あっという間に台湾で使える中国語(華語)に翻訳してくれるため、とても便利です。
旅の指さし会話帳mini
上でもご紹介した『旅の指さし会話帳』のmini版アプリです。
旅行好きな人たちの間ではおなじみのアプリバージョンで、実際に使える単語やフレーズが数多く網羅されており、台湾旅行で大活躍すること間違いなしでおすすめです。
まとめ
台湾の言語事情を中心に、挨拶や勉強方法などもご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
台湾では中国語が公用語となっていますが、大陸の普通話ではなく、台湾独自の台湾華語となっており、その他にも現地の独自言語である台湾語や様々な方言も使われています。
台湾華語や台湾語をペラペラ話せなくとも、台湾人の話す言葉を一言でも話せたり、挨拶などができれば、それだけでコミュニケーションが生まれます。
今回ご紹介した挨拶の言葉を覚えて、是非使ってみて下さいね。
また、留学せずに日本で台湾華語を勉強する方法もありますので、教室に通ったり、言語交換をしてみたりと、工夫をしながら台湾華語に触れてみて下さい。
そして旅行に行かれる際は、スマホに翻訳アプリを入れておくと、積極的に現地の人たちとの会話を楽しめますので、さらに台湾がより身近に感じられるはずです。
言葉を通して、皆さんの台湾への興味がより広がることを願っています。
[担当:Huahua|編集:運営スタッフ]