海外移住や海外旅行では、渡航先によっては狂犬病ワクチンを接種しておいた方が良い国や地域があります。
そんな狂犬病ワクチン(人間用)について、値段や副作用、接種する時期や回数、有効期間、渡航前のいつまでに打ったら良いのかを解説していきます。
また、狂犬病ワクチンはかなり値段が高いのが実情です。
そこで、接種をするかしないか検討している方のために、ワクチン接種の効果の他、打たないで渡航する場合、現地でどういった対策をすれば良いのか、注意ポイントもまとめています。
なお、今回の記事は東京医科大学病院・渡航者医療センターの栗田直医師に監修をして頂いており、また、筆者のワクチン接種の実際の体験談や感想も記載してありますので、海外移住や出張、長期の旅行前に参考にしてみて下さい。
狂犬病ワクチンは必要?
狂犬病とは
毎年多くの人々が亡くなっている
狂犬病とは、狂犬病に感染している野生動物に噛まれるなどした際に感染する病気で、現在のところ有効な治療法がなく、発症すれば致死率はほぼ100%と言われている恐ろしい病気です。
感染するのは動物同士だけでなく、人間も感染し、世界では毎年約5万人が亡くなっています(世界保健機関調べ)。
感染経路
狂犬病は英語ではrabies(レイビーズ)と呼ばれますが、日本語では「狂犬病」と「犬」の名前が使われています。
そのため、日本では狂犬病とは犬だけが原因だとイメージされやすいところがありますが、実際には犬だけでなく猫やキツネ、アライグマなどの野生動物からも感染します。
ただ、感染原因で一番大きいのややはり犬で、世界保健機構(WHO)によると、人間が狂犬病に感染し死亡する原因の99%は犬が原因となっています。
感染するのは、狂犬病ウィルスを持っている動物に噛まれたり、傷口や目・口などの粘膜を舐められたりした場合に起こります。また、唾液が付いた爪で引っかかれた場合にも感染します。
狂犬病の症状
症状は発熱や頭痛、全身の倦怠感、嘔吐などから始まります。
感染してから症状が出るまでに時間差があり、10日~数年かかることもあります。
そして次第に筋肉が緊張し、飲食が困難となり、幻覚症状が出たりします。また、特に水を怖がるようになる「恐水症」が起こります。
やがて昏睡状態になり、呼吸が麻痺し亡くなります。
上でも触れたように、狂犬病は発症してしまうと効果的な治療法がなく、ほぼ100%の致死率となっています。
そのような恐ろしい狂犬病ですが、日本をはじめ、いくつかの国では狂犬病は撲滅され、感染リスクがない国もあります。
しかし、多くの国ではいまだ狂犬病で亡くなる方々が絶えない状況となっています。
それでは、海外移住や海外旅行の際、どの国や地域が感染リスクがあり、どの国が安全なのでしょうか?
狂犬病の感染リスクがある国や地域
狂犬病が根絶した国
世界では、狂犬病の感染リスクがない清浄国とされている国や地域があります。
日本の厚生労働省が狂犬病清浄地域と指定している国は、
- 日本
- オーストラリア
- ニュージーランド
- フィジー
- ハワイ
- グアム
- 英国の一部
- アイルランド
- ノルウェー
- スウェーデン
- アイスランド
となっています。
それ以外の大多数の国と地域では狂犬病の発生があり、特にアジアとアフリカ、南米で多く発症しています。
多くの日本人が旅行や出張などで訪れるアジアの中でも、特に毎年多くの死者が出ている国は
- インド(7,437人)
- 中国(2,635人)
- パキスタン(1,623人)
- バングラデシュ(1,192人)
- インドネシア(1,113人)
- ミャンマー(681人)
- フィリピン(592人)
- ベトナム(360人)
- ネパール(357人)
- ラオス(217人)
- カンボジア(190人)
となっています(厚生労働省/2016年)。
意外と知られていませんが、上のリストからわかるように、中国では毎年2,000人を超える人々が狂犬病によって亡くなっており、その他のアジアの国々でも、毎年数多くの狂犬病の被害者が出ているのがわかりますね。
こうした中、狂犬病が撲滅された国に渡航するのであればワクチン接種は不要ですが、特にアジアやアフリカ、南米の中でも狂犬病被害の多い国や地域に長期滞在をする場合、予防として狂犬病ワクチンの接種が重要となって来ます。
続いて、そんな狂犬病ワクチンとはどういったものなのかについて、見ていきましょう。
狂犬病ワクチンとは?
現在のところ有効な治療法がない狂犬病ですが、予防方法は海外で動物との接触を避けるほか、あらかじめ予防接種を受けておくことが一番の対策だといわれています。
そんな狂犬病ワクチンについて、解説をしていきます。
狂犬病ワクチンの効果と有効期間
狂犬病の予防接種(暴露前ワクチン)
まず、狂犬病ワクチンの効果から見ていきましょう。
一旦発症してしまえばほぼ助からない狂犬病ですが、あらかじめ予防接種のワクチンを打っておく(暴露前ワクチンと呼ばれます)ことで、発症のリスクを抑えることができます。
下でも詳しく説明をしますが、狂犬病の予防接種ワクチンは3回接種し、それにより抗体ができると言われています。
有効期間は3回目の接種後2年以上で、その間は抗体の効果が持続します。
噛まれた後(暴露後ワクチン)
普通、予防接種をしてあればそれだけで安全だと感じてしまうものですが、狂犬病の場合、1つ注意点があります。
万が一狂犬病の疑いのある動物に咬まれてしまった場合、その後、現地ですみやかに追加ワクチン(暴露後ワクチン)を2回打つ必要があるのです。
ただ、事前に打ってある狂犬病ワクチンのおかげにより、体内ではすでに抗体ができています。
そのため、ワクチンをあらかじめ全く打っていない場合に比べると、追加ワクチンを打つまで時間的にもいくらか猶予があり、その分発症リスクを低めると言うことはできます。
ワクチンを打たないで噛まれてしまうと・・・
一方、ワクチンを打たない未接種のまま渡航し、現地で噛まれてしまった場合、体内には狂犬病に対する抗体が全くありません。
そのため、噛まれた後、現地で速やかに病院を探し、一秒でも早くワクチンを打つ必要があり、暴露後ワクチンを5回接種する必要があります。
特に噛まれた部位が上半身や顔など頭に近くなればなるほど、急を要します。
慣れない海外で、更に一刻の猶予もない中、現地で病院を探すのも大変なことですし、その病院に着くまでの時間や、その病院で狂犬病用ワクチンが確保してあるかどうかなど、運任せとなる要素が多くなってしまいます。
発症してしまうとほぼ100%亡くなる病気のため、そういったリスクからしても、事前に予防接種をしておくことは重要です。
狂犬病ワクチンをあらかじめ接種していくことのメリットをまとめると
- 万が一動物に噛まれてしまったとしても、現地で暴露後ワクチンを打てば発症を抑えられる
- 現地で野良犬などの動物が街にいたとしても、狂犬病ワクチンをあらかじめ接種してあるため、気持ち的・心理的にも余裕ができ、滞在中より安心して過ごすことができる
とは言っても、上でも触れたように、万が一現地で狂犬病の疑いのある動物に噛まれたり舐められたりした場合、速やかに病院に行って追加ワクチン(暴露後ワクチン)を打ってもらうことが大切ですので、滞在中は油断せずに注意しながら過ごすようにしましょう。
このように、狂犬病ワクチンをあらかじめ接種しておくことは非常に大切なのですが、ワクチンを打つことに不安を感じる方も少なくないようです。
狂犬病ワクチンを打つに当たり、副作用はあるのでしょうか?
狂犬病ワクチンの副作用
軽めの副作用が出る場合も
狂犬病ワクチンは、通常の医薬品と同じく、副作用が出る場合がありますが、それでも数%と少ない数になっています。
副作用は多くの場合、接種部位の腫れや痛み、腕の重さなど軽いものとなっています。
ただ、以前にワクチンなどでアレルギー反応を起こしたことがある方や妊娠されている方の場合、あらかじめ病院で相談する必要があります。
筆者の体験談
筆者自身も東南アジアに長期滞在するに当たり、狂犬病などいくつかのワクチンを接種しました。
私の場合、狂犬病のほか、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスと5種類のワクチンを接種しました。
予防接種は全部で3回に分けて行われ、各回では2本~3本を打つ形になりました。
一度に2本または3本も打つため、「そんなにたくさん打って大丈夫なのだろうか?かなり痛いのではないか・・・」という懸念がありましたが、結果は拍子抜けするようなもので、それほど心配は要らなかったのだと感じました。
ワクチンを一度に2本打つ場合、まず利き腕に1本、そしてもう片腕に2本打ち、また、3本打つ場合はまず利き腕に1本、そしてもう片腕に2本打つ形でした。
狂犬病だけの接種の場合であれば、1回につき片腕1本で済むことになります。
予防接種と言えば、小学生の頃に打った日本脳炎が非常に痛かった覚えがあったのですが、狂犬病を含め、上のどのワクチンもそれぞれ所要時間は1~2秒程度で、更に痛みも針を刺すときにチクッとするくらいで、他は特に痛みはありませんでした。
接種後は、30分辺りから腕が重くなり、若干の鈍痛がありましたが、それほど酷いものではなく、普通に日常生活ができました。
ただ接種後、24時間は運動は控えるようにとのことでしたので、静か目に過ごしてはいました。
唯一少し不便に感じたのが、寝る際に腕を下にして寝ると鈍い痛みがあったため、腕の位置をずらして寝たことくらいでした。
このように、狂犬病のワクチンはそれほど痛みもないため、ほとんど心配は要りませんので普通に過ごすことができます。
ちなみに接種後、このような日本語と英語で書かれた予防接種の記録手帳を頂けました。
何かあった場合、海外でこの手帳を見せれば現地の病院でのやり取りがスムーズになるため、安心です。
では続いて、狂犬病ワクチンの回数や間隔など、渡航前のいつまでに打てば良いのかについて見ていきましょう。
狂犬病ワクチンの回数や間隔&時期はいつまでに打てば良いの?
狂犬病ワクチンの回数と間隔
狂犬病ワクチン(予防接種)は1度で終わりではなく、基本的に3回打つ必要があります。
狂犬病ワクチンを打つ回数と間隔は日本と海外では異なり、また国内でもワクチンの種類・メーカーや病院によって異なっています。
こちらは一般的な例になります。
国内産ワクチン
1回目 →(4週間後) 2回目 →(6カ月~1年後) 3回目
輸入ワクチン
1回目 → (1週間後) 2回目→(2~3週間後) 3回目
これら3回のワクチンを接種していれば、3回目の接種後から2年以上、免疫効果が続きます。
国産のワクチンと輸入ワクチンのどちらが良いかについては、病院で先生がアドバイスをしてくれますので、それぞれに合ったものを選ぶと良いでしょう。
狂犬病ワクチンの接種時期
狂犬病ワクチンに関して、いつから打つのが良いといった目安はないものの、抗体の有効期間が2年ほどであることを考えると、できるだけ出発に近い時期に打つのが良いと言えます。
ですが上で触れたように、狂犬病ワクチンは一定の間隔をあけて3本打つ必要があります。
そのため、接種に適した時期は、出発の1カ月~2カ月前辺りがベストでしょう。
期限としては、少なくとも出発の1カ月前までには最初の1本を打てるように予定を調整しましょう。
とは言っても、出発前の1カ月は準備などで色々と忙しいですので、渡航が決まったタイミングで、時間的に余裕があるときに接種のスケジュールをあらかじめ組んでおくのがおすすめです。
続いて、狂犬病ワクチンの値段について見てみましょう。
狂犬病ワクチンの値段・料金
狂犬病ワクチン(人間用)は保険適用ではなく自費診療になるため、料金は病院やクリニックによって異なります。
私が自分で受けるにあたって調べた限りでは、海外渡航のための予防接種の値段は病院によってかなりの差があり、ワクチンの種類によっては1本3,000円近くも差があるものがありました。
そのため、特に複数のワクチンを打つ場合にはトータルで金額に大きな差が出てきますので、その辺りはお住まいの地域や病院を何か所か調べてみるのが良いでしょう。
狂犬病ワクチンの価格は、大体1回あたり15,000円のところが多いようですが、私が打った病院では13,500円でした。
狂犬病ワクチンは3回打ちますので、3回分でだいたい合計4万円ちょっと~4万5,000円前後となります。
この値段は、結構高いと感じられた方も少なくないのではないでしょうか?
1人でも4万円代、夫婦2人だと8万円~9万円、更にお子さんも含めて家族全員分となると、かなりの金額になりますよね。
ただ、上でも触れたようにアジア諸国をはじめ、海外の多くの国では毎年多くの方々が狂犬病により亡くなっています。
また、自分では気を付けていても、ふとしたことで動物に噛まれてしまったり舐められてしまうことも起こりえます。
実際、海外の街を歩きながら、振り向いた瞬間に間違えて野良犬のしっぽを踏んでしまい、それで噛まれてしまった、なんてケースもあるそうです。
そのため、お金を惜しむのか、安全性を優先するのかを考えると、やはり狂犬病は予防接種をしておくのが大切だと言えます。
続いて、狂犬病ワクチンを接種できる病院やクリニックをご紹介します。
狂犬病ワクチンを接種できる病院・クリニック
狂犬病ワクチンは、どこで受けられるのでしょうか?
残念ながらどの病院でも受けられるわけではなく、接種できる病院やクリニックは限られています。
ですがこちらの厚生労働省検疫所FORTHのホームページでは、全国で狂犬病など海外渡航用ワクチンを接種できる病院やクリニックを検索することができます。
東京や大阪、京都、福岡、札幌など需要の多い地域はもちろん、その他の都道府県の病院やクリニックも記載されています。
以下、簡単に検索方法を説明しておきます。
検索方法
- 厚生労働省検疫所FORTHのホームページにアクセスします。
- 特に行きたい病院が決まっていない場合、上段の「施設名」は空欄のままでOKです。
- お住まいの都道府県を選択し、必要なワクチンに✓を入れます(狂犬病ワクチンの場合、暴露前と暴露後の2種類ありますので、予防接種の場合は「暴露前」をチェック)。
- 複数のワクチンの同時接種や英語の証明書が必要な場合、小児対応が必要な場合などは、「診療体制」の個所で必要な項目にチェックを入れます。
- 「検索開始」を押すと、該当する病院が一覧となって出てきます。
こちらのデータベースには、厚生労働省検疫のデータベースに登録を希望した病院やクリニックのみが記載されています。
そのため、ここでは検索できない病院やクリニックでも海外渡航用ワクチンを受けられるところもありますので、希望する病院などで直接問い合わせをしてみることもおすすめです。
私が実際に予防接種を受けた病院
私が実際に受けた医療機関は、東京医科大学病院(東京医大)の渡航者医療センターです。
こちらの病院では、医師や看護師、事務の方々みなさんが大変親切で、現地での細かな注意事項などを指導して下さるため、多くの方におすすめです。
実際に打ってみて大変良い病院だったため、今回の記事の執筆にあたり、医療的な内容に間違いがないか先生に監修のお願いもさせて頂きました。
渡航者医療センターでの予防接種には予約が必要で、事前に問診票を記入します。
狂犬病ワクチンを含め、予防接種の種類によっては何度か間隔をあけて打つ必要があるため、渡航の1カ月前までに予約をする必要があります。
詳しくは、東京医科大学病院の渡航者医療センターのサイトをご覧下さい。
ここまで、狂犬病ワクチンの内容や重要性について解説をして来ましたが、中には「高額なので、ワクチンは打たないで渡航したい」という方もいるかと思います。
そういった方のために、最後に、狂犬病ワクチンを打たないで渡航する場合の注意ポイントや対策について簡単にまとめておきます。
狂犬病ワクチンを打たない場合・打ち忘れた場合の注意ポイントと対策
狂犬病ワクチンを打たないで海外に出た場合、特に狂犬病の被害が多い国や地域に長期滞在するには注意が必要です。
ここでは、普段の注意点と万が一噛まれてしまった場合の対応についてまとめておきます。
普段の注意事項
- 野良犬に近づかない
- 動物に触れないようにする
- 誰かのペットでも注意し、できるだけ触れないようにする
このように、できるだけ現地では動物との接触を避けるのが何よりの予防策になります。
タイやミャンマー、インドなど、地域によっては野良犬が多い場所もありますので、そういった地域では特に周囲に注意をすることが大切になります。
また、犬や猫などは前足をよく舐めていますので、その爪で引っかかれた場合にも感染してしまうことがあります。
そのため、噛まれなくとも動物に引っかかれたり、傷口や目・口元などを舐められてしまった場合、すぐに病院に行くことが必要になります。
また、誰かが飼っているペットだからと言って安心せず、狂犬病が根絶されていない国や地域ではできるだけ動物に触れないよう心がけましょう。
噛まれた場合の対処法
万が一、狂犬病の疑いがある動物に噛まれてしまった(または引っかかれたり、傷や粘膜を舐められてしまった)場合、以下の手順で対応します。
- 噛まれた部位を水と石鹸でよく洗います。
- 大至急病院に行き、ワクチンを5回接種します。
予防接種を受けていない場合、とにかく大至急病院に行き、5回のワクチンを受ける必要があります。
とにかく一秒でも早くワクチンを打つことが重要になりますので、普段から病院を調べておく方が安全でしょう。
あらかじめ予防接種を受けている場合、暴露後ワクチンは2回で済み、発症を抑えることができると言われています。ただし、咬まれた場所や傷の状況にも左右されます。
そのため、安全のためにも狂犬病の被害が多い国や地域に長期滞在される場合、できるだけ狂犬病ワクチンの予防接種をしてから渡航するのがおすすめです。
まとめ
狂犬病は、一旦発症するとほぼ100%が亡くなる恐ろしい病気です。
日本を含めいくつかの国では現在狂犬病は根絶されていますが、海外の多くの国ではいまだ毎年多くの犠牲者が出ています。
そのため、狂犬病の恐れがある国や地域に移住または長期滞在(出張や旅行など)する場合、あらかじめ狂犬病の予防接種をして行くことが非常に大切となります。
狂犬病ワクチン(人間用)は予防接種として打つ暴露前ワクチン、そして万が一狂犬病の疑いがある動物に噛まれてしまった場合に打つ暴露後ワクチンがあります。
予防接種は基本的に輸入ワクチンであれば3回打ち、3回目の接種後に抗体ができ、その免疫効果(有効期間)は2年以上続きます。
副作用は数パーセントと少なく、多くの場合は接種部位の痛みや腫れ、倦怠感などの軽い症状のものとなっており、数日以内には治まります。
万が一海外で狂犬病の疑いのある動物に噛まれてしまった場合、予防接種をしてあればその後2回、予防接種を打たないで渡航していた場合、現地で大至急5回暴露後ワクチンを打つ必要があります。
狂犬病ワクチンは1本で1万5,000円前後(3回分で4万5,000円前後)と値段は高めですが、有効な治療法がない現在、最も安全な予防法が予防接種のため、できるだけ事前に接種して行くのが望ましいと言えます。
予防接種は一定の間隔をあけて3回打つ必要があるため、少なくとも渡航前の1カ月前までの時期に最初の予防接種を受けるようにしましょう。
[担当:Ameli|監修:栗田直医師(東京医科大学病院・渡航者医療センター)]