ハワイにはいくつかハイキングに適したトレイルがありますが、その中でもココヘッドトレイルは難易度が高めのトレイルとされています。
そんなココヘッドトレイル(ココ・クレーター・レイルウェイ・トレイル)に実際に挑戦してみたのですが、あまりの怖さに途中で5度ほど引き返そうかと真剣に考えたほどでした!
今回の記事では、その時の登頂記のほか、ココヘッド登山におすすめの服装や注意点、そして簡単に行き方や駐車場情報についてもご紹介しています。
ココヘッドは噂通り、かなり難易度が高めのトレイルのため、ぜひこの記事を参考に万端の準備で臨んでみて下さいね!
ココヘッドトレイルとは?
まず、ココヘッドトレイルとは何かというと、ハワイ・オアフ島にある巨大なクレーターです。
標高は368mあり、第二次世界大戦時に通信基地として使われたことから、山の斜面には当時物資運搬のために使われていたトロッコの線路道が敷かれています。
そして、この線路に敷かれている枕木は何と1048段もあると言われているのですが、ココヘッドトレイルが他の多くのトレイルと違っている点は、登山者はこの線路をまっすぐ上に登って行くというところです。
多くの場合、トレイルはなだらかにカーブを描きながら徐々に高くなっていくものですが、ココヘッドの場合、物資運搬のためのトロッコの路線をそのまま上がって行くんですね。
そのため、急斜面をひたすら真っすぐ上に登って行く形となっていて、これがとてもキツイし、またとにかく迫力が凄く怖いのです!
それでは、そんなココヘッドに登頂してみた体験記についてご紹介していきます。
恐怖のココヘッドトレイル!登頂記&体験談
ココヘッドトレイルに登るきっかけ
ダイヤモンドヘッドとマカプウトレイルは楽!
ハワイ滞在中、いくつかハイキングトレイルを登ってみたいと思い、まずは有名なダイヤモンドヘッドに登り、次にマカプウトレイルに行ってみました。
私は最近は普段あまり運動はしておらず、体力的には普通(または普通より少なめ)なのですが、ダイヤモンドヘッドもマカプウトレイルも、どちらもほとんど疲れることなく楽しむことができました。
ダイヤモンドヘッドに関しては、こちらに詳しく書いていますので、こちらの記事も参考にして見て下さい!
そして次にどこに挑戦しようかと考えていたところ、ココヘッドトレイルについて書かれた記事を目にしたのでした。
ココヘッドトレイルは怖い!との噂が・・・
ココヘッドトレイルに登ったことのある方々のブログや口コミを見てみると、
「とにかくキツい」
「とにかく怖い!特に高所恐怖症の人にはムリ」
「途中の階段のところで断念して下山した」
「二度と登りたくない」
・・・といった、何ともハードルが高そうな内容が多く、「大丈夫かなあ」と不安になって来ていました。
私はどちらかというと高所恐怖症なのですが(というより、年々なぜか怖くなって来ているような・・・)、「まあ大勢登っているわけだし、本格的な登山というほどのものでもないから、大丈夫だろう」と、楽観的に考え、結構軽い気持ちで行ったのでした。
・・・結果、実際に登ってみると噂通りとてもキツく、高所恐怖症気味の私にとっては文字通り恐怖の登山体験となりました。
ですが、頂上からの景色は素晴らしかったですし、何よりも道中みな苦しかったり怖かったりするのは老若男女・国籍を問わず同じのため、色々な国の知らない人々とも雑談をしたり励ましあいながら登ることが出来、とても良い思い出になりました。
それでは、実際に登った際の体験談をご紹介していきます。
ココヘッドトレイルに実際に登った体験談
ココヘッドトレイルは、上でも触れたように、地面から山の斜面にまっすぐと伸びているトロッコの路線部分を上がって行くコースになっています。
パッと見ると、結構長そうに見えますが、それほど大変そうには見えませんでした。
「まあ、休み休み行けば、何とかなるだろう」といった気持でした。
ところが、歩き始めてみると、ある事に気がつきます。
それは、路線の枕木の幅が中途半端な幅となっていることです。
これは人が歩くための路線ではなく、トロッコ用なので無理もないのですが、人が歩くには幅が広すぎ、リズム的に上手くいかないのです。
そのため、片足づつ1歩半にして歩幅を調整しながら、しばらく上っていきました。
しばらくすると、「もう大分上ったかな・・・」と辺りを見回してみると、まだまだ先は随分とあるではないですか・・・!
口コミにもよく書かれているのですが、ココヘッドは登っても登っても終わりが見えず、一体いつまで続くのか・・・といった感覚がかな~り長く続いていきます。
途中、疲れてトレイルの端で休んでいる人もいます。
お互い「いやあ、キツイですね」などと声を掛け合いながら進んでいきます。
休み休み進んで行けば良いのですが、ココヘッドのキツイところは、上に登って行きながら休もうとすると、段々と恐怖心が襲ってくるようになるのです。
というのも、トレイル自体がそれほど広くはないため、下から上へ登る人と、上から下へ降りる人とがすれ違い、これが結構気を使うし怖いのです。
さらにその脇で休もうとすると、ちょっとしたスペースがあるところを見つけて休むことになるのですが、そこがまた狭く、また眼下に広がる景色を見ようものなら、その高さにゾッとしてしまいます。
この「どれだけ登っても、まだまだ先が長い」という感覚と、「すれ違い際や眼下の景色が怖い」という感覚がずっとつきまとっていて、もう上へ進めば進むほど「もう無理かもしれない・・・」といった気持ちが出てきます。
途中、疲れと恐怖で登頂をあきらめて、帰ろうかと何度も思ったのですが、それでも何とか気持ちを奮い立たせて登り続けていきました。
そんな中、ココヘッドの最大の難関地点に差し掛かります。
ここからしばらくは、枕木の下がポッカリと空洞になっていて、地面は数メートル以上も下の方にあるのです。
他の方々の口コミや体験談でも、高所恐怖症の人はここで断念して帰る人々もいるそうで、私もこれを見た時、「うわ、ダメだ!!」と断念しそうになりました。
けれども、「ここまで苦労して下から頑張って登って来たのに、ここで帰るのはな・・・」などと迷っていると、何とか両手も使いながら登っていく人の姿が目に入りました。
「そうか、立って行こうとすると怖いけど、四つん這いなら行けるかも」と思い、恥も何もなく、お猿さんのように両手両足を使って這いながら登ってみると、何とか行けそうな感覚になりました。
でも、下を見るとあまりの恐怖で体がすくんで動かなくなってしまうのです!
そのため、下は見ないようにし、ひたすら手の位置と板の部分だけを見るようにして、四つん這いのまま、一歩一歩上がって行きました。
途中でもう怖くて、両手両足がガタガタと震えていたのですが、そこから引き返すのももっと難しくて怖そうなので、仕方なくそのまま四つん這いで上がって行ったのでした。
途中、上から降りて来た人がいたため「こんな感じの場所はあとどれくらい続くんですか?もう怖くて・・・」と言うと、「大丈夫、ここが一番怖いところで、あと少ししたらまた地面がちゃんとあるから!頑張って!」と・・・。
その言葉に勇気をもらい、頑張って登って行ったのですが、「あと少し」どころか実際は結構な距離がありました^^;
でも途中で引き返すわけにもいかなかったため、ああ言ってくれて良かったと、あの方に感謝です。
震えながらなんとか最難関の箇所を通り過ぎると、あとはまた枕木と地面が繋がっている足場になり、前よりは随分と登りやすくなりました。
ただ、以前よりも標高が随分と高くなっているため、やっぱりとにかく怖いのです!!
チラッと横を見てしまったりしたらもう、眼下に広がる世界が迫ってくるようで怖くて仕方がないため、できるだけ目の前だけを見るようにして進んで行きました。
ちなみに、私の旦那は高いところは問題ないのですが、それでもこの部分はやはり怖かったそうで、動画を撮りながらも震えてしまったと言っていました。
そしてようやく頂上に到着!!!
頂上は絶景で、まさに登った甲斐ありの風景でした。
あの有名なハナウマ湾も見えます!
また、不思議な空気が流れているように感じられるところがあり、よく注意をして見てみると、人々が願い事を書いて入れるお祈りのメッセージ箱なるものがありました。
ちゃんとペンも用意されていたので、私も便乗してお祈りごとを書いて箱に入れておきました。
そして下山の時・・・。
ふと見ると、10代のアメリカ人の女の子が「オーマイガー!オーマイガー!怖い怖い怖い、ムリムリムリ・・・」と蒼白な顔をして呟いていました。
私も登る時も怖かったのですが、やはりその子と同じように、降りるときもまた怖くて、もうどうしようかと思いました(苦笑)。
ただ、降りるときは体を横向きにし、とりあえず片足ずつ一歩一歩降ろしていく形にすると、何とか降りやすくなりました。
ここでも、決して周囲を見回してはいけません!
特に高所恐怖症の人は、ひたすらただ足元だけを見るのに集中するのがおすすめです。
そしてしばらく降りると、あの最難関の場所が再びやってきました!
やはり怖くて足がすくんでしまいます。
そこで、ここでも行きと同じように両手両足を使い、さらにお尻を地面にくっつけたままズルズルと一歩づつ降りていきました。
この方法のおかげで何とか降りられはしたのですが、ズボンは土で真っ黒になってしまいました(でもあの恐怖に比べたら、ズボンが汚れるくらいは大したことありません^^;)。
こんな調子で何とか下まで降りたのですが、それにしても怖かったです・・・!!
疲れもそうですが、恐怖の方が強く、途中で断念して帰る人がいるのも納得でした。
でも一つ驚いたのが、今回ココヘッドトレイルに登っていた人々の中で、日本から来られた年配の登山者のグループがいらっしゃったのですが、みなさん年配の方々なのに、スタスタと登って行かれて、さらに帰りもひょいひょいと下って行かれたのです・・・。
多くの人(私を含め)は、途中で休み休み、ハアハア言いながら何とか登っている中、そのグループの方々はみな軽々と登っていかれて、本当にビックリしました。
途中でその方々とお話をする機会があったのですが、その方がにとっては、ココヘッドトレイルくらいの山はそれほどキツくないのだそうで、これまたビックリ・・・!
「やはり、普段から本格的な登山をされている方は違うんだなあ~」と驚いた一件でした。
では、そんなココヘッドトレイルですが、これから登ってみたい方のために、服装や注意点について触れておきます。
ココヘッドトレイル登山時の服装&注意点
ココヘッドトレイルはハイキングという位置づけのため、それほど本格的な装備は必要ないのですが、それでもやはり難易度が高い上級者向けのコースとされていますので、いくつか注意が必要です。
まず、簡単にココヘッドトレイル登山時の服装や注意点についてポイントをまとめてみます。
- 服装は日焼け対策ができるものが好ましい
- 靴はスニーカーなど、足がしっかりと固定されていて、なおかつ歩きやすいものを
- 水筒とタオルを必ず持参
- 雨が降った後など、地面が湿っているときは避けた方が良い
- 高所恐怖症の人は要注意
- 体調が良い時に挑戦を
順番に簡単に見ていきましょう。
服装は日焼け対策ができるものが好ましい
ココヘッドトレイルは標高300メートルちょっとの山ですが、基本的にトレイルには日を遮るものはなく、下から上まで始終直射日光に照らされます。
そのため、できるだけ日焼け対策をして、帽子や服装に気をつけるのがおすすめです。
欧米人の中には、男性では上半身裸、女性はキャミソールといった服装の人々もいたのですが、日焼けを考えるとやはりできるだけ肌を覆う服装が良いかと思います。
私たちは半そでだったのですが、やはり上で触れた登山グループの方々は、みな長袖のシッカリとした登山用の服装でした。
普通の人の場合、登山用の服装までは必要ないのですが、楽に動け、かつ日焼け対策もできる服装がおすすめです。
靴はスニーカーなど足がしっかりと固定されていて、歩きやすいものを
上の体験記でも触れたように、ココヘッドトレイルはかなりキツく、さらに途中に危険を伴う場所もあります。
そのため、サンダルなどはNGで、スニーカーなど足がしっかりと固定されていて、なおかつ長時間歩いても大丈夫な靴がおすすめです。
水筒&タオルを必ず持参
ハワイは気温が高く、また直射日光の中を登って行くため、とても喉が渇きます。
熱中症にならないためにも、水分補給がきちんとできるよう、水筒を必ず持って行くようにしましょう!
また、汗拭きのタオルも必須です。
雨が降った後など、地面が湿っているときは避けた方が良い
ココヘッドトレイルは山の斜面を急な角度で登って行くため、滑りやすい場所が多くなっています。
そのため、雨が降っている時はもちろんのこと、雨が降った後に地面がまだ湿っているような状態の時も、登山は避けた方が良いでしょう。
普段でも滑りやすく、かなり危険です。
高所恐怖症の人は要注意
そして高所恐怖症の人は要注意です!
私も高所恐怖症気味なのですが、途中で何度も帰ろうかと思ったくらいでした。
ただ、いくつかポイントをつかめば、高いところが苦手な人でも大丈夫です!
- 周囲をあまり見渡さないようにする
- ひたすら一歩先だけを見るようにする
- 怖い箇所は、両手両足を使って四つん這いになって進む
- 帰りは、体を横向きにし、片方ずつ足を降ろして行くと降りやすい
このような形で行けば、(カッコ悪いですが)何とか登れますので、高所恐怖症だけとチャレンジしてみたいという方は、是非こちらを参考に登ってみて下さい!
私もとても怖かったですが、やはり頂上からの眺めは絶景で、私はまた次回も登りたいと思っています。
体調が良い時に挑戦を
ココヘッドトレイルはハイキングコースということになっているものの、ダイヤモンドヘッドやマカプウトレイルと比べると、断然ココヘッドの方が登山らしく体力的にもキツいコースとなっています。
年齢が若い人たちでも途中途中休みながら登る人がほとんどですので、体調が良い時に登るようにするのがおすすめです。
特に体力に自信がない方は注意が必要ですので、できるだけムリのないようにしましょう!
では最後に、ココヘッドトレイルまでの行き方や所要時間、駐車場情報についても簡単に触れておきます。
ココヘッドトレイルへの行き方と所要時間&駐車場情報
まず、ココヘッドトレイルの場所は地図で見るとこんな位置にあります。
ココヘッドトレイルまでのアクセス方法は、いくつかあります。
ワイキキの中心部からのそれぞれの所要時間は以下の通りです。
- ザ・バス:22番バスで、所要時間は約45分
- タクシー:所要時間は約30分
- レンタカー:所要時間は約30分
- トロリー:LeaLea利用、所要時間は約40分
ココヘッドにはザ・バスでも行けますし、上の地図でも見えますが、駐車場(無料!)もありますので、レンタカーで行くのもおすすめです。
私たちは前回、レンタカーで行ったのですが、レンタカーだと好きな時間に行き来でき、また帰りに他のスポットにも気軽に寄れますので、いいですよ~。
まとめ
ハワイのココヘッドトレイルについて、登頂体験記と服装や注意点、そしてアクセス方法について簡単にご紹介してみました。
ココヘッドトレイルは難易度が高めのコースと言われており、特に高所恐怖症の人には要注意ですが、コツさえつかめば何とか登れますので、もし行ってみたい方は是非挑戦してみて下さい。
かなりキツいですが、頂上からの眺めは絶景ですよ!