世界中から旅行者が訪れる国・タイですが、タイといえば1年中真夏だというイメージを持っている方も多いでしょう。
ですが、タイの気候は実際はどういったものでどれくらい暑いのでしょうか。また、年間を通して一日中半袖でいられるのか、といったことも気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はタイに旅行する際に気になる服装を、タイの天気や気温・気候情報などと共にご紹介します。
また、タイでの観光には服装で注意すべきポイントがありますので、そういった点についても参考にしてみて下さい。
それでは、早速タイの首都であるバンコクの気候について見ていきましょう。
タイ・バンコクの気候や気温・天気
一年中常夏のイメージのあるバンコクですが、実際もそのイメージ通り年間平均気温が約29℃です。
ですが、タイ・バンコクの気候は、季節ごとに降水量や気温などに変化がありますので、旅行の際にはどの時期に行くのかによって快適さも異なってきます。
まずはざっと、バンコクの一年間の月別平均気温と降水量を見てみましょう。
月平均気温(℃) | 月平均降水量(mm) | |
---|---|---|
1月 | 27.3 | 15.1 |
2月 | 28.6 | 18.3 |
3月 | 29.8 | 39.3 |
4月 | 30.9 | 86.6 |
5月 | 30.1 | 245.8 |
6月 | 29.7 | 162.0 |
7月 | 29.3 | 171.4 |
8月 | 29.1 | 207.9 |
9月 | 28.7 | 349.2 |
10月 | 28.4 | 302.2 |
11月 | 27.9 | 47.9 |
12月 | 26.6 | 7.4 |
出典:気象庁ホームページ
上の表の気温だけを見ると、一見バンコクは一年中同じ季節のようにも見えますが、実はバンコクの季節は3つの時期に分かれており、暑季・乾季・雨季があります。
それでは、それぞれの時期と特徴について詳しく見ていきましょう。
気温と降水量の値は日本の気象庁のサイトを参考にしています。
タイの暑季の天気と気温
暑季の特徴
- 時期:3月、4月、5月
- 平均気温:約30~32℃
- 平均降水量:約87mm~約246mm
暑季は時期としては、3月から5月になります。
日中40度前後になる事もあるほどで、朝から高温の日が続きます。平均気温は約30~32℃です。
まさにタイのイメージ通りで、一日中暑い日々が続きます。
寺院などを巡ったりビーチを楽しんだり、外にいる時間も多いかと思いますが、この時期は汗をよくかき、日焼け止めも汗とともに流れてしまいます。
2~3時間もいれば肌が痛くなったり強く日焼けしてしまいますので、特にこの時期は日よけ対策を万全にしておく必要があります。
また熱中症対策のため、こまめな水分補給も大切です。
そして、この暑季の後には雨季がやってきますので、暑季の途中から少しずつ雨が増えて来ます。
そのため、平均降水量は4月が約87mmだったのに対し、5月になると約246mmと3倍近くにもなることが分かります。
続いて、タイの雨季に関して見ていきましょう。
タイの雨季の天気と気温
雨季の特徴
- 時期:6月、7月、8月、9月、10月
- 平均気温:28.4℃~29.7℃
- 平均降水量:約162mm~約349mm
続いてやってくるのが雨の季節・雨季で、6月から10月にあたります。
雨季といっても、日本のように一日中雨が降っているというより、急にバケツをひっくり返したような雨、スコールが降ってその後は晴れたりします。
日本のゲリラ豪雨をイメージすると分かりやすいですが、傘があっても濡れてしまうほど、大降りになります。
夕方以降に降る事が多く、だいたい1時間程度で止みます。
ただし一度に降る雨の量が多く、また日本と違って道路が整っていないため、雨が止んだ後でも水たまりや冠水しているところがありますので注意が必要です。
冠水時には汚水も流れて来ますので、衛生的にも注意が必要です。
そのため、このスコールがやってきたら屋内で楽しむのもよいでしょう。
ショッピングセンターでお土産を見たりレストラン、また、カフェなどでのんびりするのもよいでしょう。
カフェの窓ごしから天気が移り変わる様子を見るのも、また一つの思い出になりますよ。
ちなみに、私は海外に行くと、必ず現地のスーパーマーケットに寄ります。大きなスーパーマーケットではお土産にできそうな物が安く買え、現地の雰囲気を楽しむことができるので、天気に関係なく過ごすことができます。
バンコクでは、例えば中心部のサイアム駅周辺 (地図)には駅から近い大型のショッピングモールやスーパーも多いため、雨の時に色々まわっても飽きることなく楽しめおすすめです!
また、どうしても屋内にいられずスコールに遭遇してしまった場合、思わずタクシーに乗って帰ろうかと考えるかたも知れません。
ですがこのタクシー、雨の時は実はあまりおすすめの手段ではありません(晴れの時でも、サイアム地区やスクンビット地区などバンコクの中心部では、朝・昼・夕には大渋滞になります)。
特に雨季では、道路が冠水してしまって車も動けなくなり、大渋滞に巻き込まれて身動きがとれなくなってしまいます。
そのため、移動にはBTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)を利用する方がスムーズでおすすめです。
雨季の平均気温は、暑季開始の6月頃は29.7℃と高く、終わりの10月頃になると28.4℃と少し下がり、次のシーズンを思わせる日々になってきます。
ですが、平均降水量には少し幅があります。
6月は約162mmですが、日本の夏休みにあたる8月になると約208mmと増え、9月には約349mmと雨季で一番多くなります。
そして、10月は約302mmと減っていき、11月からの乾季に突入していくことになります。
そのため、9月に旅行する際には比較的雨量が多いため、スケジュールにも注意が必要です。
次に、雨季の後にやってくる乾季について見ていきましょう。
タイの乾季の天気と気温
乾季の特徴
- 時期:11月、12月、1月、2月
- 平均気温:約27~28℃
- 平均降水量:7.4~47.9℃
そして乾季です。
外にいても暑すぎず、雨も降らない、どこへでも出かけられそうで気持ちも晴れやかになります。
平均気温としては、約27~28℃で、平均湿度は73%です。
湿度が高めに感じますが、朝晩が涼しく17℃くらいになることもあり、湿度の割にじめっとした不快感はあまり感じません。
ちなみに、地元タイ人もこの時期が大好きです。一年を通して暑いタイでは、みな少しでも涼しくなる時期を待ち望んでいます。例えると、日本人が冬の時期に暖かい春を待ち望むような感じでしょうか。
以上の暑季・雨季・乾季がタイ・バンコクの3つの時期ですが、観光に適したシーズンは、最後にご紹介した乾季となります。
そこで、観光ベストシーズンである乾季について、乾季に旅行の場合の注意点などもあわせて見ていきましょう。
タイ旅行のベストシーズン:乾季(11月~2月)旅行時の注意点
観光に最も適したバンコクの乾季は、東京のゴールデンウィークと同じくらいか、または時期によっては、それより少し暑い気候だとイメージすれば良いでしょう。
この時期は、年末年始や日本の冬休みに当たり、休みを利用して暖かいタイに旅行に行く日本人も少なくありません。
そんなタイ・バンコクの乾季ですが、いくつか注意点もあります。
乾季のバンコク旅行での注意点1:デモが増える
上でも触れたように、タイ人もこのシーズンが好きで、やっと少し涼しくなってきたと色々と活動をする時期でもあります。
その1つが、デモです。首都バンコクでは、乾季はデモの時期でもあります。
そのため、空港や道路の封鎖なども起こりえますので、ニュースでタイの動向を知っておくとよいかと思います。
また、大規模なデモでなくとも、小さな規模の団体のデモや宣伝活動もちょこちょこありますので、出かける際には注意ながら歩くようにするのがおすすめです。
乾季のバンコク旅行での注意点2:日焼け対策や暑さ対策も必要
バンコク旅行にベストシーズンの乾季ですが、それでもやはり太陽の日差しは強いため、特に観光で外を長時間歩く場合などは、日焼け止めや帽子・日傘を持参するのを忘れないようにしましょう。
また、観光で楽しい時間を過ごしていると、つい水分補給を忘れがちになってしまいますが、熱中症対策のためにも水分はこまめにとるのがおすすめです。
ここまでバンコクの気候についてご説明してきましたが、どのシーズンでも、旅行中は常にタイムリーな天気が気になりますよね。
そこで、次はバンコクの天気予報がわかるサイトをいくつかご紹介したいと思います。
タイの天気予報がわかるサイト
旅行者にとってはありがたいことに、今ではネット簡単に世界中の天気情報が入手できます。
次に挙げるサイトは全て、ピンポイントでバンコクを指定でき、旅行先でも便利に使えます。
また、天気だけでなく、気温や湿度、風向きなど様々な情報が載っていますので、その日の服装やアクティビティの計画の参考にすることができます。
簡単な特徴を含め、いくつかおすすめのサイトをご紹介しておきます。
Yahoo!天気・災害
Yahoo!は検索サイトとしても活用できますし、身近で手軽ではないでしょうか。
バンコクの現在時刻、当日の日の出、日の入り時刻、1週間天気予報が一面に載っています。
Accuweather
こちらはアメリカの企業のサイトですが、バンコクの天気予報が現在、週末、期間延長など、一面に日本語で表示されます。
このサイトの他との違いは、90日間までの予報が確認できることです。
また、体感温度も載っており、参考になります。
もちろん、体感温度の感じ方は人それぞれですが、それでも目安にはなるため、参考にしておくと服装の調整ができ便利です。
最後に、もう一つ英語のサイトですが、地元タイの気象庁のサイトをご紹介しておきます。
タイ気象庁のサイト
ちょっととっつきにくい感じはありますが、雨雲の動きがリアルタイムでチェックできますので、こちらのタイ気象庁のサイトは特に雨季の時に役立ち便利です。
ここまで、気候と天気予報のサイトをご紹介してきましたが、次に旅行の準備で特に気になるバンコク観光に適した服装を紹介します。
タイ旅行や観光に適した服装
上でご紹介した通り、タイではシーズンによって気温に差があったり朝晩はぐっと下がったりするため、旅行の際は服装には気をつけなければなりません。
基本的には夏の服装で大丈夫ですが、次の3つに対しての対策は必要です。
日焼け対策
上でも触れましたが、タイ旅行では特に日焼け対策が大切になります。
タイの日差しは非常に強いため、男女問わず日焼け対策は欠かせません(あっという間に肌が焼けて真っ赤になってしまいます)。
日焼け止めのクリームを塗るはもちろんのこと、汗で流れてしまうことも考え、帽子や日傘、人によってはアームカバーなどがあると良いでしょう。
エアコン対策
このエアコン対策ですが、実は侮れません。
まず、行き帰りの飛行機から寒いのです。特にLCCだと何故か冷房がとても強く、冷えを感じやすい女性だけでなく、男性でさえ寒いと感じるほどです。
そのため航空会社によっては、機内ではとてもではないですが半袖ではいられず、ウィンドブレーカーが必要だと感じるほど寒いこともあります。
また、バンコクの街中の電車やショッピングモール、レストランやカフェなどでも、全てエアコンがかなりきいており、長時間いるとすっかり体が冷えてしまうこともあります。
そのため、日焼け対策にもなるアームカバーや、地元の人も利用するストールなど羽織る物があるといいでしょう。
気温差対策
すでにご紹介した通り、タイでは気温が日本の冬を思わせるような気温に下がることはありません。
ですが、朝晩が20℃を下回るようなシーズンもありますし、雨の降った後は気温が下がることもあります。
そのため、真夏の薄手の半袖にスカートや半ズボンだけですと、寒いと感じることもあります。
そのため、念のためショートではなくロングパンツやロングスカート、羽織り物、薄手の上着などがあるといいでしょう。
このように、タイ旅行では気候や気温によって服装を調節するのがおすすめですが、タイを観光する際にはシーズンにかかわらず、服装の種類で気をつけるべきポイントがありますので、そちらも見ておきましょう。
タイ旅行・観光の服装選びで気をつけるべきポイント
タイは暑いことが多いため、真夏の服装でも良いかと思われがちですが、タイで観光をする際、TPOを考えて服装を選ぶことが大切になります。
いくつか、服装の注意点をあげておきますので、参考にしてみて下さい。
タイの寺院での服装
例えばお寺などでは、男女ともに肩出し、ショートパンツ、スカートはNGで、有名なお寺などでは、入場口に服装規定の看板があります。
NGとなった場合、無料で服の貸し出しがありますが、使い回しのため抵抗感がある方もいるかも知れません。
そのため、最初から規定を守った服装をしていくのがおすすめです。
また、日焼け対策アイテムの1つである帽子ですが、参拝前にはマナーとして脱ぐ必要があります。
そのため、お寺観光をしたい場合、帽子は若干邪魔になってしまうかもしれませんが、色々な場所を歩き回りたい場合、やはり暑さ対策として帽子はあった方が良いでしょう。
タイのレストランでの服装
また、服装に気をつけるべきなのはお寺だけではありません。
屋台や普通のレストランであれば、服装は普段着で全く問題はありませんが、高級なバーやレストランとなるとドレスコードがある場合もあります。
男性ですとタンクトップやショートパンツはNG、女性はミニスカートNG、男女ともにビーチサンダルはNGだったりというケースがあります。
そういったことから、場合によってはタイの観光では、南国リゾートのような服装だけでは足りないこともありますので、冷房対策を兼ねて、長ズボンやロングスカートにしておき、羽織り物1枚を持って行くのがおすすめです。
ちなみに、タイでは外見をわりと重要視する傾向があり、特に都市部のオフィス街などではタイ人は服装に気を使う傾向があります。
ただ、観光客はたいていTシャツにジーパンなどで、また男女ともに特に多いのが、ゾウ柄などの東南アジア風の模様が入ったダボっとしたタイパンツです。
現地で100バーツ(約350円)ほどで買え、旅行者に人気です。
地元のタイ人でこのようなタイパンツをはいている人はいませんが、旅行者であれば旅の楽しみとして良いかも知れません。
普通に観光地を回る旅であれば、ラフな格好でも大丈夫です。
また、服装に関してちょっとした情報ですが、地元のタイ人の間では曜日ごとに着る色を変えている人もいるようです。
というのも、タイでは曜日ごとに違った神様がいて、それぞれの曜日のカラーが決まっているからなのです。
タイでは赤と黄色、迷彩柄の服装は注意が必要
さらに、タイでは2つの政党が争っている背景もあり、それぞれの政党のカラーである赤と黄色の服装は、できれば避けた方が良いとも言えます。
とはいっても、街を歩いていれば普通に赤や黄色の服を着ている人もいます。
そのため、そこまで気にする必要はありませんが、デモ隊などがいる場合に面倒なことにならないとも言えませんので、念頭に置いておくと良いかと思います。
また、タイでは軍服法という法律があり、軍隊を思わせる迷彩服を民間人が着ることは禁止されていますので、こちらの方は特に注意しましょう。
ちなみに、タイに旅行に行くとなると、入国する際には入国カードを記入する必要があります。
入国カードの記入例はこちらの記事で写真つきで説明していますので、あわせて参考にしてみて下さい。
まとめ
バンコク(タイ)の天気や気温、天気予報サイトのほか、気候に合う洋服や観光で気をつけたい服装についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
年間平均気温が約29℃と常夏のイメージのあるタイですが、3つのシーズンがあり、暑季・雨季・乾季と分かれています。
暑季は3月~5月、雨季は6月~10月、そして乾季は11月~2月となります。
観光のベストシーズンは乾季ですが、一年を通して真夏の服装に加え、暑さ対策と冷房対策のために帽子や薄手の羽織るものなどを忘れないようにしましょう。
また、観光(特に寺院訪問)の際にはTPOに注意をし、タンクトップやミニスカートなどで行かないように気をつけましょう。
この記事がこれからタイ旅行に行かれる方のお役に立てたら嬉しいです。
[担当:Dreamy|編集:運営スタッフ]