中国に旅行に行くのに、「色々と規制がありそう、行くにはビザが必要なのでは・・・?」など、何だか手続きのハードルが高く複雑そうだというイメージがありませんか?
私は3年前から上海在住なのですが、来る前まではまさにそう思っていた1人でした。
この記事では、旅行者の方々のために中国の入国カードの書き方や出入国審査の質問、必要書類、その他パスポート残存期限など必要事項について解説をしています。
また、税関の際に気をつけなければならない注意点や、持ち込み制限のあるものなどに関しても説明をしています。
中国旅行のために必要な準備から、当日の入国審査の流れまで順に解説をしていますので、参考にしてみて下さい。
注意ポイントさえ気をつければ、中国の入国はそれほど複雑ではありませんので、大丈夫ですよ!
中国入国のための基本情報
ビザや必要な種類は?
中国の旅行に必要な書類は、実はそれほど多くありません。
滞在期間が15日以内の場合
- パスポート
- 往復航空券
滞在期間が15日以上の場合
- パスポート
- 往復航空券
- ビザ
基本的にはこれだけです。
基本的な事がわかれば、必要書類は案外少ないと感じるのではないでしょうか?
15日以上滞在の場合には、旅行者であってもビザが必要になります。
ビザの申請は個人でも可能ですが、中国大使館では旅行会社経由での申請を推奨しているので、代行依頼されることをおすすめします。
パスポートの残存期間は?
中国に入国する際、パスポートの有効期限(残存期限)を確認しておく必要があります。
パスポートの有効期限は、入国時より半年以上あることを確認しておいて下さい。
もし今のパスポートの有効期限が半年未満の場合、パスポートを更新し、新しいパスポートで入国する必要があります。
では続いて、中国へ出発する前にチェックが必要な、持ち物や持ち込み制限のあるものについて見ていきましょう。
中国に出発する前に持ち物をチェック!持ち込み禁止や制限に注意
上でご紹介したように、中国にはパスポートとビザ(ビザは15日以上の滞在のみ必要)が揃えば、出発できます。
でもその前に・・・、注意が必要なのが持ち物です。
中国には、持ち込み禁止のものだけでなく、持ち込み制限があるもの、その他、中国ならではの規制で別途申請が必要なものがいくつかあります。
特に、持ち込み制限があるものや、申請が必要な項目については日用品も含まれるため、旅慣れた旅行者でもあらかじめ注意が必要です。
それぞれ順に見ていきましょう。
中国に持ち込み禁止のもの
どの国でもそうですが、中国でも持ち込みが禁止されているものがあります。
- マッチ、ライター
- 100mlを超える液体(機内持ち込みは禁止。スーツケースに入れ、チェックイン時に預けてください)
- 武器類
- 反道徳的、または中国の政策に批判的な内容の出版物、印刷物、フィルム等
- 果物、野菜等
特に中国の場合、中国の政策に反する内容の本やDVDなども持ち込みが禁止されていますので、念のため確認しておきましょう。
中国に持ち込み制限があるもの
中国に持ち込むことはできるものの、その量に制限があるものがあります。
- 現金(外貨はUS$5,000相当額まで。現地通貨は2万元まで。)
- タバコ(400本まで)
- 酒類(2本まで。1本が0.75リットル以下)
- 香水(個人で使用する範囲まで)
- 出版物(10冊以下まで、全集などシリーズものは3セットまで)
- CD・DVDなどの音楽・映像ソフト:(20枚まで、シリーズ・セットものは3セットまで)
などです。
これらは、その他の国のルールと似ていますので、常識的な範囲内の荷物であれば特に問題はないでしょう。
ただ注意が必要なのは、出版物の制限についてです。
これは中国ならでは、でしょうか??
本好きで、旅行にたくさんの本を持って行きたいといった場合、注意が必要です。
中国に持ち込む際、申告が必要なもの
中国の場合、持ち込むのに別途申告が必要なものがあります。
- ベビーミルク
- ベビーフード
- 医薬品
上記のものの場合、検査員に申告すれば持ち込みが可能です。
ただ、必要以上に大量に持っていると、転売用と思われることがあるので、こちらも常識的な範囲に収めましょう。
余談ですが、中国へは日本からベビーミルクやベビーフードを含むすべての食品を送ることが、基本的に禁じられています。
自分でスーツケースで運ぶ場合は申告をし、常識的な範囲で可能ですが、もしこれらをダンボール等に詰めて中国へ送ってしまうと、没収もしくは高い関税をかけられることになります。
ご注意ください!
ではいよいよ、飛行機で現地空港についてからの手続きを見ていきましょう。
中国の入国カードについて
中国へ入国する際には、入国カードが必要です。
通常は、中国へ向かう機内で配られ、1人1枚の記入が必要です。客室乗務員の方が配ってまわりますので、人数分もらいましょう。
機内で書けるよう、筆記用具は忘れずに機内に持ち込みましょう。
もし、機内で記入できなかったとしても、空港内の入国審査場のカウンターにカードも筆記用具も置いてありますので大丈夫です。
中国出入国カード(入国カード&出国カード)の書き方
中国の入国カードは、写真の右側が中国に入国する時に必要になる「外国人入境卡」(ARRIVAL CARD)、左側が中国を出国する時に必要になる「外国人出境卡」(DEPARTURE CARD)です。
要は、出入国に必要なカードのことですね。
中国入国カードの書き方&記入例
では、入国カードから記入方法を説明していきます。
①性/Family Name:名字(漢字でもローマ字でもOK)
②名/Given Name:名前(漢字でもローマ字でもOK)
③国籍/Nationality:日本(漢字でも英語でもOK)
④护照号码/Passport No.:パスポート番号
⑤在华住址/Intended Address in China:滞在先住所(ホテル等の住所)
⑥男・女:性別にチェックマーク
⑦出生日期/Date of birth:誕生日
⑧签证号码/Visa No.:ビザを持っている場合のみ記入
⑨签证签发地/Place of Visa Issuance:ビザの発行地
⑩航班号/航名/车次Flight No/Ship's name/Train No:便名
⑪入境事由/Purpose of visit:入国の理由(ビジネスの場合は「会议」、観光の場合は「观光」を選択)
⑫签名/Signature:署名(パスポートと同じ署名)
中国出国カードの書き方&記入例
次に出国カードの記入例の説明です。
①姓/Family Name:名字(漢字でもローマ字でもOK)
②名/Given Name:名前(漢字でもローマ字でもOK)
③护照号码/Passport No.:パスポート番号
④出生日期/Date of Birth:生年月日
⑤男・女:性別にチェックマーク
⑥航班号/航名/车次:Flight No/Ship's Name/Train No:便名(日本へ戻る際の便名)
⑦国籍/Nationality:日本(漢字でも英語でもOK)
⑧签名/Signature:署名(パスポートと同じ署名)
中国でトランジットする場合
中国の入国カードはトランジット(乗り換え)の場合は必要なのでしょうか?
もし、一度空港の外へ出る場合(乗り継ぎが長く、観光できることもありますよね)、入国カードは必要になります。
この場合、入国カード内の「滞在先」には、「None/ Day Trip」(なし、日帰り観光)とでも書いておけば問題ないようです。
空港内で過ごし、他国へ乗り継ぐ場合には中国へは入国しませんので、入国カードは不要です。
ただ乗り継ぎでも、中国国内が最終目的地でしたら、入国カードは必要になりますので、入国する空港で出入国カードを提出するようにします。
では続いて、税関申告書について見ていきましょう。
中国の税関申告書
中国では、免税範囲内であれば、税関申告書の提出は不要です。
もし、免税範囲を超えるものを中国へ持ち込む場合には、到着した中国国内の空港の税関に申告書があるので、そこで記入が必要になります。
申告が必要なものは、主に以下のようなものが対象です。
- 動物、植物、植物製品、微生物、生物学的商品、人体組織
- 贈答品などとして中国に残す物品で2,000元を超えるもの
- アルコール度数12%以上で1500mlを超えるアルコール飲料
- 紙巻きタバコ400本、葉巻タバコ100本、500グラム以上のタバコ製品
- 20,000元以上の中国元、US$5,000相当以上の外貨
- 商品価値のある物品・見本など
- 中国国内の法律によって持ち込みが禁止されているもの
観光やビジネスで来られる方は、まず該当しないと思われるので、あまり心配しなくてよいと思います。
では、いよいよ入国審査の流れについて見ていきましょう。
中国の入国審査の流れ
中国での入国審査はどのような感じなのでしょう?
中国の空港では
- 指紋採取
- 入国審査(+顔写真撮影&指紋採取)
といった流れとなっています。
それぞれ一緒に見ていきましょう。
指紋採取
2017年2月に深圳(シンセン)の空港で試験的に始まった指紋採取は、現在では中国全土で実施されています。
日本やアメリカ、その他の国々でもテロ対策の一環として、指紋採取はどんどん広がっていますね。
対象となるのは、14歳~70歳までの外国人です。入国の際のみに実施され、出国時はありません。
例えば、上海浦東国際空港の場合、飛行機を降りて建物内に入るとすぐに指紋採取の機械が設置されています。
パスポートをかざすと、国ごとに音声案内が自動で流れます。
日本のパスポートなら日本語で案内が流れるので、それに沿って進めれば簡単にできてしまいます。
右手、左手、両手の親指・・・という順で採取します。
たまに、手が乾燥していたり、指紋が薄い方の場合、なかなか指紋が認識してもらえないことがあります。
そういった場合、指先に息を吹きかけて若干湿らせると、上手く撮れることが多いですので試してみて下さい。
指紋が採取できたら、入国審査に進みます。
入国審査
外国人用のレーンに並ぶ
日本でも同じ方法ですが、中国でも入国審査は、「中国人」と「外国人」に分かれて並びます。
日本パスポートの方は、外国人の方に進んで下さいね。
他国からの到着便と重なると、入国審査でかなり待たされることがあります。
また、到着が夜遅い便だと、審査官が少ないことがあり、これまた時間がかかることがあります。
我が家は、夕方に到着する便を多く利用するためか、さほど混雑を経験したことはないのですが、場合によっては大変混雑することもあるため、現地でのスケジュールは余裕を持って組んでおく方が良いでしょう。
入国審査で聞かれる質問
入国審査では大したことは聞かれません。
何も聞かれず、パスポートだけチェックしておしまい・・・ということが私の場合はほとんどです。
日本のパスポートは信用されているということでしょうか?
何か聞かれるにしても英語は通じますので、観光なら「Sightseeing」、ビシネスなら「Business」と簡単に答えるだけで十分でしょう。
余談ですが、よく上海の入国審査場で目にするのですが、黒人の方たち(アフリカから来た方のように見えます)が審査官に色々と質問され、止められ、別室へ案内される・・・ということがあります。
いつも、どの国から来ているのかなぁ・・・と思いながら私は待っています。
再び指紋採取
そして、ここでもまた指紋採取があります。なぜ2ヶ所でやるのかは不明です。
そして、指紋採取と併せて、顔写真の撮影もあります。
そして余談ですが、空港出口付近で、係員が乗客にランダムに声をかけスーツケースを開けるように言うことがあります。
私は一度だけこれで止められたことがあります。
上海市内で何かのイベントか国際会議があり、警備が強化されていた頃だったのでそのためだと思いますが、上海ではたびたびこのような催し物があるので、留意しておくとよいかもしれません。
これが終了すれば、空港外へ出られます!
中国では、次々と新しい人気観光スポットができています。
中でも、モダンで新しい中国と伝統的な古い中国の両方が味わえる、上海もおすすめです。
上海のおすすめ観光スポットやモデルコースについて、こちらの記事にまとめていますので、是非参考にしてみて下さい。
まとめ
中国旅行に必要な書類や持ち込み禁止物、免税の範囲の他、入国カードの書き方や当日の入国審査の流れについて解説をしましたが、いかがでしたか?
15日以内ならビザなしで観光でき、特別面倒な手続きは必要ありませんので、意外と簡単だと感じたのではないでしょうか?
入国審査ではさほど質問はされないですし、顔写真撮影と指紋採取が済めば入国審査は終わります。
日本から数時間のフライトで着いてしまう中国(西の果ては遠いですが・・・北京や上海ならすぐ近くです)!
この記事を参考に、是非中国の旅を楽しんで下さい。
[担当:Morrisville|編集:運営スタッフ]